- クラーケンはxStocksの提供をEUに拡大し、投資家がトークン化された米国株とETFを取引できるようにした。
- スイスのフィンテック企業Backedと共同で開発されたトークン化株式は、従来のブローカーを介さずに、ブロックチェーンベースで米国株にアクセスできるようにするものだ。
- xStocksはソラナ・ブロックチェーン上で運用されており、今後さらに多くのブロックチェーンをサポートし、DeFiエコシステムへの統合を強化する予定だ。
暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケン(Kraken)は、欧州連合(EU)全域の数百万の顧客向けにxStocksの提供を拡大した。これにより同地域の投資家は米国株にオンチェーンでアクセスできるようになった。
今回の拡大により、対象となるヨーロッパの投資家はクラーケンのアプリを通じて、人気のある米国株式や上場投資信託(ETF)のトークン化されたバージョンを直接取引できるようになる。
クラーケンのグローバルコンシューマー部門責任者マーク・グリーンバーグ(Mark Greenberg)氏はCoinDeskへのリリースで次のように述べた。「EUへのxStocks拡大は、当社の成長戦略と現地市場での存在感を考慮すれば自然な次のステップだ。長きにわたりアメリカ市場へのアクセスは不必要に困難だったが、xStocksによって多くの障壁を取り除く」。
xStocksとしてもトークン化された株式は、スイスのフィンテック企業Backedとの提携で開発されたもので、現実世界の株式やETFをブロックチェーン上で表現したものだ。
これらのトークンは原資産となる株式の価値を反映し、ウォレット内の他の暗号資産と同様に取引や保有が可能だ。こうした金融商品は、従来、困難で摩擦の多いアメリカの株式市場へのアクセスを試みるグローバル投資家が長年直面してきた課題を解決する。
xStocksを利用すれば、EU在住の投資家は人気の米国株の価格を追跡するトークン化された証券を取引でき、従来の証券会社や仲介業者を介する必要がなくなる。投資家は資産を完全に管理し、互換性のあるプラットフォーム間でのシームレスな移動や自己管理が可能となる。
さらにxStocksは分散型金融(DeFi)プロトコルに統合でき、ユーザーの柔軟性と現代デジタル市場への参加を強化する組み立て可能な金融構成要素として機能する。
クラーケンがEUで週5日24時間体制のxStocks取引を開始したことは、ブロックチェーン基盤の金融インフラへの関心の高まりと一致し、分散化・透明性・グローバル金融市場の民主化という業界全体の潮流を反映している。
ボストン・コンサルティング・グループ(Boston Consulting Group:BCG)とマッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company)によれば、世界のトークン化資産市場は2030年代までに数兆ドル規模に達すると予測されている。
トークン化された株式は、高速かつ低コストな取引で知られるソラナ(Solana)ブロックチェーン上でSPLトークンとして運用される。BEP-20ブロックチェーンやイーサリアム(Ethereum)・メインネットへの対応拡大も計画中だ。このマルチチェーン戦略は、xStocksを急成長するDeFiエコシステムに深く統合することを目指している。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Kraken Expands Tokenized Equities Platform, xStocks, to European Investors


