- ジェフリーズは、チェーンリンクを伝統的金融によるブロックチェーン統合に不可欠なインフラであり、スマートコントラクトのための安全な現実世界データへのアクセスを後押ししていると考えている。
- トークン化のパイロットプログラムが実用段階へ進み、金融機関がチェーンリンクのサービスにますます頼るようになるにつれて、LINKトークンに対する需要が高まるだろうとジェフリーズは指摘した。
- このレポートによれば、チェーンリンクはSWIFT、DTCC、JPモルガンなどの主要パートナーと連携し、2500超のプロジェクトにわたって1030億ドルの資金を保全している。
投資銀行ジェフリーズ（Jefferies）がチェーンリンク（Chainlink）の共同創業者セルゲイ・ナザロフ（Sergey Nazarov）氏との電話後に発表したレポートによれば、資本市場がますますブロックチェーンインフラを受け入れる中で、チェーンリンクは伝統的金融にとって基盤レイヤーとなる可能性がある。
分散型オラクルネットワークであるチェーンリンクは、スマートコントラクトを現実世界データやオフチェーンシステムと接続し、トークン化資産決済やパラメトリック保険、クロスチェーンでのメッセージ送受信といった高度なユースケースを実現する。
ジェフリーズは、チェーンリンクのネイティブトークンであるチェーンリンク（LINK）はトークン化の進展によって恩恵を受けるだろうと指摘した。
2025年9月時点で、チェーンリンクはオラクルフィードを通じて1030億ドル（約15兆円）の資産を保全しており、これは2024年初頭の230億ドル（約3兆3350億円）から増加した。サポートしているプロジェクトは2500を超える。
アナリストのアンドリュー・モス（Andrew Moss）氏およびマシュー・モルタ（Matthew Molta）氏は、SWIFT（国際銀行間通信協会）、世界最大級の証券清算・保管機関DTCC（Depository Trust & Clearing Corporation）、ユーロクリア（Euroclear）、JPモルガン（JPMorgan）などの機関との提携が、暗号資産（仮想通貨）と伝統的金融（TradFi）をつなぐチェーンリンクの役割を明確にしていると指摘した。
現実資産（RWA）をプログラム可能なデジタルトークンへと変換するトークン化は、オンチェーン環境とオフチェーン環境の安全な接続を可能にするインフラに対する需要を牽引している。チェーンリンクのクロスチェーン相互運用性プロトコル（CCIP）と分散型オラクルネットワーク（DON）は、この課題に対応し、金融や保険、サプライチェーンの分野においてリアルタイム決済と自動化を支えているとアナリストらは指摘した。
デジタル資産の普及はまだ序盤だが、トークン化パイロットプロジェクトが急速に実用段階に移行しているとジェフリーズは述べた。LINKトークンはサービス、ノード運用、ステーキングの支払いに使用されており、チェーンリンクのインフラに対する需要の高まりによって、将来的なキャッシュフローを受け取る権利が保有者にもたらされる可能性がある。
レイヤーゼロ（LayerZero）やパイス（Pyth）など競合も存在するが、チェーンリンクのネットワーク効果と先行者利益は、ブロックチェーンインフラ分野で強固な競争優位性をもたらす可能性があるとジェフェリーズは指摘した。
アナリストらは、ステーブルコインを除くトークン化資産の価値が年初来で253％増となる300億ドル（約4兆3500億円）に達したと推計している。
トークン化が運営コストを削減して流動性を向上させる中、機関投資家がブロックチェーン基盤の決済レイヤーへと移行し、チェーンリンクがその移行の中心になると予測しているとジェフリーズは述べた。
｜翻訳・編集：林理南
｜画像：Jesse Hamilton/Modified by CoinDesk
｜原文：Chainlink Poised to Power TradFi Shift to Blockchain, Jefferies Says
