- ブラックロックの現物ビットコインETFとSPDRゴールドETFは2日、ともにETFの取引高トップ10入りを果たした。ブルームバーグのエリック・バルチュナス氏によれば、これは異例の出来事だ。
- この動きは、ビットコインが12万ドルを超えるほど急騰して史上最高値の12万4000ドルに迫り、金が年初来で50%上昇して1オンスあたり4000ドルを目指している中で起きたものだ。
ディベースメント取引(通貨価値下落に備えた取引)が活況を呈している。ビットコイン(BTC)は12万ドル(約1740万円、1ドル145円換算)を突破し、史上最高値である12万4000ドルにあと一歩の水準だ。一方、金は年初来で約50%上昇してほぼ毎日史上最高値を更新し、本記事執筆時点では3900ドル(約57万円)をわずかに下回る水準で取引されている。
ETF(上場投資信託)への資金流入も、この取引の背後にある熱狂ぶりを浮き彫りにしている。世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)のiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)とSPDRゴールドETF(GLD)は、2日にともにETFの取引高上位10位以内にランクインした。ブルームバーグ(Bloomberg)のシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス(Eric Balchunas)氏によれば、これは異例の出来事だ。
SPDRゴールドETFの取引高は48億8000万ドル(約7076億円)でETF全体の中で4位、iシェアーズ・ビットコイン・トラストは32億1000万ドル(約4655億円)で7位だった。なお、1位はSPDR S&P 500 ETFで、取引高は260億ドル(約3兆7700億円)を超えた。
バルチュナス氏は、「誰もが、ディベースメント取引に加わりたいのだろう」と述べた。
コメディアンでありサウンドマネー(健全通貨)を支持するドミニク・フリスビー(Dominic Frisby)氏はCoinDeskの独占取材に対し、ビットコインと金はいずれも政府が発行できないという独自の特性を持つと語った。
フリスビー氏は、「ビットコインは史上最高値からわずか数%の位置にあり、金はすでに史上最高値に達している。銀は史上最高値に接近している。これは、人々が法定通貨への信頼を失いつつあるかのようだ。もちろん、永遠に続くものは何もない。しかし、政府による通貨価値の下落の影響を受けない主要資産が、再び注目を集めている」と述べた。
銀も金とともに急騰し、本記事執筆時点で48ドル(約7000円)をわずかに下回る水準で取引されている。これは2011年と1980年のピークに次ぐ3番目の高値だ。興味深いことに、この2つの年のいずれも銀の最高値は金の最高値と同時に発生した。歴史が繰り返されるならば、銀の放物線的な上昇が終わるとき、金も最高値に到達する可能性があることを示唆しているだろう。そしてこのシナリオは、ビットコインのさらなる上昇につながるかもしれない。
|翻訳・編集:林理南
|画像:TradingView
|原文:‘Debaser Trade’ in Full Force as Bitcoin and Gold ETFs Rank in Top 10 for Volume


