- アメリカ証券取引委員会（SEC）によるアルトコインETFの承認プロセスは、政府閉鎖によって阻害され、カルダノのETFの申請にも影響が出る可能性がある。
- ポリマーケットの参加者は現在、政府閉鎖が1カ月に及ぶ確率を36%と予測しており、そうなるとETFの承認は2026年以降になるかもしれない。
- 政府閉鎖中はSECの人員が限られるため、暗号資産ETFの申請の積み残しは年末までに解消されないだろう。
アメリカ証券取引委員会（SEC）はついにアルトコインETF（上場投資信託）の迅速な承認の道を開いたが、アメリカ連邦政府閉鎖の影響でカルダノ（ADA）ETFの申請は2026年まで宙に浮いたままになる可能性がある。分散型予測市場ポリマーケット（Polymarket）の参加者はこれを過小評価している。
19b-4申請を廃止し、アルトコインETFの迅速な承認のための「汎用上場基準」を認めたことで、トレーダーはカルダノのETF承認が2025年末までに得られると90%の確率で予想している。
しかし、1カ月に及ぶ政府閉鎖の可能性が36%であることを考えると、10%の「ノー」側の方が賢明な選択となるかもしれない。政府閉鎖が続く限り、「途方もなく速い」承認でさえ実現できないからだ。
SECの緊急時対応計画によると、4200人の職員のうち、現在職務を遂行しているのはわずか390人程度で、新商品の承認ではなく、緊急事態への対応と市場監視に専念している。
緊急時対応計画によると、ETFの発行者は引き続きEDGARシステムを通じて申請を提出できるものの、審査、コメント、審査の迅速化を行う職員はいない。すべてのIPO（新規株式上場）の審査がすでに停止されている中、同じ行き詰まりが、9月に導入されたSECの新たなファストトラック上場制度の下で手続きが進むと期待されていたアルトコインETFの波を阻む恐れがある。
政府閉鎖関連の契約を精査した結果、ポリマーケットの参加者は連邦政府の業務再開を10月下旬から11月上旬と見ており、コンセンサス予想では10月30日頃となっている。
SECにとって、このタイムラインは、申請書類の審査やカルダノのような保留中の暗号資産ETFの承認手続きに必要なスタッフが少なくともあと3週間不在になることを意味する。さらに、申請中の暗号資産ETFは89件あり、さらに従来の金融商品に必要な各種の承認も待っている。
たとえSECがそれまでに業務を再開したとしても、クリスマス商戦による景気低迷まで残りわずか8週間しかなく、感謝祭の影響でさらにその期間は短縮される。
ポリマーケットのトレーダーは長期の予測で、連邦政府の業務停止が11月まで続く可能性を約31%と見積もっており、これは2018～2019年に記録された35日間という記録に迫るものだ。
これほどの期間が経過すれば、SECは、すでに停止中のIPO審査、遅延している執行案件、そして新たに合理化されたものの依然として保留中の暗号資産ETF申請など、増大するバックログを処理する時間がさらに短くなる。
カルダノETFが年末までに承認される可能性は確かにある。断言はできないが、SEC職員の検討事項リストの中で上位にあると言ってもいいだろう。
同時に、ポリマーケットのオッズに反映されているワシントンでの膠着状態を考えると、このプロセスが長引く可能性も否定できない。
では、カルダノETFが2025年に承認されない確率は11%なのだろうか。100%ではないかもしれないが、遅延の可能性はポリマーケットが示唆するよりも明らかに高いと考えられる。
｜翻訳：CoinDesk JAPAN
｜編集：井上俊彦
｜画像：トロントでのConsensus 2025で公演するチャールズ・ホスキンソン氏。（CoinDesk）
｜原文：Analysis: Market Is Undervaluing the Possibility Cardano (ADA) ETF Is Delayed Until 2026
