- コインベースはブラジルでDEX取引を開始し、ユニスワップやエアロドロームといったプラットフォームを通じてより幅広いトークンへのアクセスを提供する。
- この動きはブラジル中央銀行の新規制を受けてのもので、暗号資産企業はライセンス取得と国際取引の報告が義務付けられる。
- コインベースのDEX機能は非管理型であり、ユーザーは自己管理型ウォレットで取引を管理でき、ネットワーク手数料を支払う必要がない。
コインベース(Coinbase)は、ブラジル中央銀行が暗号資産(仮想通貨)企業に包括的な新規制を課したわずか数日後、同国のユーザー向けに分散型取引所(DEX)取引の提供を開始した。
同社は11月19日の発表で、この措置によりブラジルのユーザーはコインベースアプリを離れることなく、数百種類から数百万種類に拡大するトークンプールにアクセス可能になると述べた。
コインベースはすでにアメリカのユーザー向けにDEX取引を提供しており、これは「スーパーアプリ」を目指す戦略の一環だ。スーパーアプリとは、単一プラットフォームで多様なサービスを提供するアプリケーションを指す。
今回のアップデートにより、ユーザーはBaseネイティブトークンをミントした直後に取引可能となる。取引はユニスワップ(Uniswap)やエアロドローム(Aerodrome)などのプラットフォームを経由するため、ユーザーが不慣れな分散型プロトコルで直接やり取りする必要はない。
ユーザーはネットワーク手数料を支払う必要がなく、組み込みの自己管理型ウォレットで取引を管理できるとコインベースは付け加えた。
同社はまた、「信頼できるサードパーティベンダーによって悪意のある資産または詐欺的資産と確認された資産は利用できない」と述べた上で、DEX統合を通じて提供されるアクセスを審査していないことを指摘した。
今月初め、ブラジル中央銀行は暗号資産サービス提供業者に対し、ライセンス取得、国際取引の報告、最大700万ドル(約10億8500万円、1ドル=155円換算)の資本要件を満たすことを義務付ける枠組みを発表した。
この規則により、暗号資産活動はブラジルの外国為替・資本市場規制の対象となるが、企業には9カ月の遵守猶予期間が与えられる。
コインベースを含むブラジルユーザー向け海外プラットフォームは現地法人を設立しなければならず、さもなければ利用禁止となるリスクがある。コインベースのDEX機能は非管理型であり、一部のライセンス要件の対象外となる可能性があるが、中央銀行の規則は国際送金に使用される自己管理型ウォレットも対象としており、これらは現在、月次報告の対象となっている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Coinbase Debuts DEX Trading in Brazil as ‘Everything App’ Vision Grows


