- ビットコインは米国時間11月20日午前、再び8万8000ドル付近まで下落し、エヌビディア(Nvidia)の決算報告を受けた前夜の9万3000ドルに向けた上昇分を失った。
- イーサリアムトレジャリー企業FGネクサス(FG Nexus)が自社株を買い戻すためにトークンの一部を売却したことを受け、イーサリアムは2900ドルを下回った。
- マイケル・セイラー(Michael Saylor)氏のストラテジー(Strategy)は4%以上下落し、52週間ぶりの安値を記録した。
極めて穏やかな暗号資産(仮想通貨)の上昇さえも11月20日、最近のパターンに従い、売りに直面した。ビットコイン(BTC)はわずか数時間前に9万3000ドルを超えるラリーを見せた後、8万8000ドルまで反落した。
この上昇は、19日の夕方に米国で、エヌビディア(Nvidia)が予想を上回る業績と楽観的な見通しで不安定な市場を落ち着かせた後に始まった。
低迷していた暗号資産を押し上げたことに加えて、エヌビディアの決算報告はナスダックも2%以上高く押し上げた。 株式も急速にその上昇を反転させており、ナスダックは現在わずか0.3%高である。強大なエヌビディアでさえ、5%以上上昇した後に横ばいで取引されている。
マクロレベルでのセンチメントに打撃を与えているのは、米連邦準備制度理事会(FRB)が今の所、12月の会合で利下げを見送る姿勢を示しているとの見方が続いていることだ。9月の雇用統計(米政府閉鎖の影響で数週間遅れの20日に発表)では、同月の雇用者数が予想を大幅に上回る11万9000人増となった。
また、タカ派の筆頭格であるクリーブランド連銀総裁ベス・ハマック(Beth Hammack)氏は、活気のあるインフレは利下げの理由ではないばかりか、高い株価も懸念事項であることを示唆する発言をした。
市場のベテランたちにとっては、当時FRB議長だった1996年のアラン・グリーンスパン氏による「非合理的な熱狂」演説を彷彿とさせるだろう。株価はその後4年間も、強く上昇し続けた。
ビットコインよりも大きな打撃を受けたのはイーサリアム(ETH) で、過去1時間で4%近く下落している。デジタル資産トレジャリー企業のFGネクサスが暴落した自社株(夏の高値から95%以上下落)を買い戻すために保有資産の一部を売却したことが、重しとなった可能性がある。
暗号資産関連株に関しては、市場開場後に上昇したものの、現在は大幅に下落している。マイケル・セイラー氏のストラテジーはさらに4.7%下落し、前年同期比62%安で178ドルという、52週間ぶりの安値になっている。
取引所のコインベース(Coinbase)とジェミナイ(Gemini)はそれぞれ4%と5%下落し、ステーブルコイン発行元のサークル(Circle)は3.5%下落している。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:11月20日のビットコインの値動き(CoinDesk)
|原文:Bitcoin’s Nvidia-Led Gains Prove Short-Lived, With Price Slumping Back to $88K


