- リップルのステーブルコイン「RLUSD」は、アブダビのアブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)での使用承認を取得。
- この成果により、金融サービス規制庁(FSRA)の認可を受けた企業は規制対象業務にRLUSDを使用できるようになり、中東における存在感が拡大する。
- ADGMでのRLUSDの受け入れは、明確な準備金ルールを備えたステーブルコインとしてのRLUSDの役割を強調しており、同地域の銀行や決済企業にとって魅力的だ。
リップル(Ripple)のドル連動型ステーブルコインRLUSDは、法定通貨参照トークンとして正式に認定され、アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)内での使用許可を取得し、世界で最も厳格に規制された暗号資産(仮想通貨)ハブの一つであるアブダビにおいて、規制上の足場を築いた。
リップルは27日、金融サービス規制庁(FSRA)の指定により、同庁の認可を受けた企業は規制対象業務にRLUSDを使用できるようになると発表。この承認により、RLUSDは、ADGMの分離された金融システム内で使用を許可された少数のトークン群に加わった。
中東の銀行や決済企業は、米国企業よりも迅速にトークン化された決済レールを導入しており、今回の承認はリップルにとって中東市場への一歩となる。これは、バーレーンへの最近の進出やペルシャ湾での継続的な事業拡大に続くものであり、リップルは、米国や欧州の競合他社を阻んできた規制上の制約なしに、決済経路や資本市場アプリケーションに組み込むことができる決済資産としてRLUSDを売り込んでいる。
2024年末にニューヨーク州金融サービス局(DFS)の信託認可に基づき導入されたRLUSDは、明確な準備金ルールと償還権を持つドル連動型トークンに対する機関投資家の需要の高まりを背景に、流通供給量が12億ドル(約1872億円、1ドル156円換算)を超えた。CoinGeckoのデータによると、RLUSDは時価総額で10番目に大きなステーブルコインとなった。
このトークンはまた、リップルの国境を越えた支払いスタック内にRLUSDを直接配置するという同社の戦略の一環として、企業顧客全体の担保および決済フローに登場し始めている。
米国規制に紐づくステーブルコインが世界の取引量の大部分を占めているが、ADGMの承認により、リップルは厳格なトークン分類と銀行フレンドリーなデジタル資産フレームワークで定評のある管轄区域へのアクセスが可能になる。
こうしたセーフガードこそが、アラブ首長国連邦(UAE)のZand BankからアフリカのAbsa Bankに至るまで、中東およびアフリカの複数の金融機関が今年すでにリップルの決済レールを統合した主な理由だ。
中東で最も保守的な金融管轄区域の一つにおいて法的明確性が確保されたことで、RLUSDは、規制されたステーブルコインを単なる投機的資産ではなく基盤的インフラとして扱う市場に参入することになる。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:Shutterstock modified by CoinDesk
|原文:Ripple’s RLUSD Stablecoin Wins Key Regulatory Green Light in UAE


