- ハッシュリボンのクロスオーバーは、マイナーの投げ売りが始まったことを示唆している。これは歴史的にビットコイン価格の強力な底値の条件と一致してきたパターンだ。
- ハッシュリボンのシグナルが点灯して以来、ビットコインは急回復し、8万1000ドルから9万ドルに上昇した。
- このシグナルは、マイナーのハッシュ価格が5年ぶりの安値に達したタイミングで点灯した。これにより、マイナーはAIやハイパフォーマンスコンピューティングへの多角化を進めるようになった。
ビットコイン(BTC)価格のトレンドを示すシグナルとしてビットコインマイナーの活動をモニタリングするハッシュリボン(Hash Ribbon)指標は、マイナーのストレス上昇を示した。これは、ハッシュレートが過去最高値を約15%下回ったことを受け、採算の取れないマイナーが稼働停止に追い込まれている兆候だ。
ハッシュレートの30日移動平均と60日移動平均を追跡するこの指標は、マイニングの採算が取れなくなったときにビットコイン価格が底を打つことが多いという考えに基づいている。ハッシュレートとは、暗号資産(仮想通貨)のマイニングに使用される計算能力を指す。
歴史的に、このクロスオーバーが価格モメンタムのマイナスからプラスへの転換と一致するタイミングは、強力な買いの機会となってきた。これはチャート上で濃い赤から白への変化で示される。
60日移動平均が30日移動平均を上抜けるシグナルは、ハッシュレートに依然として圧力がかかっており、マイナーが投げ売り、または生産の抑制を続けていることを示している。通常、投げ売りは30日移動平均が60日移動平均を再び上回った時点で終了する。
ハッシュリボンは、ビットコインのサイクル底値を示す信頼できる指標だ。最新のシグナルは、10月の史上最高値から35%の価格下落後に発生した。ビットコインは11月21日に8万1000ドル(約1256万円、1ドル155円換算)まで下落したが、その後9万ドル前後まで反発した。
過去のハッシュリボンのシグナルは、2021年5月に中国がビットコインのマイニングを禁止し、ビットコインが50%下落して3万ドルとなった際に点灯した。2022年6月、そして2022年11月の暗号資産(仮想通貨)取引所FTX崩壊時にも点灯した。この指標は、2025年の5月と7月に見られたような、主要な底値と一致しない下降トレンドの前にも点灯する可能性がある。
今回の最新のシグナルは、マイナーのハッシュ価格が5年ぶりの安値に達した際に点灯した。これを受けて、多くのマイニング企業は収益の多様化と不安定なマイニング経済への依存の軽減を目指し、人工知能(AI)とハイパフォーマンスコンピューティングに軸足を移した。
|翻訳・編集:林理南
|画像:ハッシュリボン(グラスノード)
|原文:Hash Ribbon Flashes Signal That Often Marks Cyclical Bottoms for Bitcoin Price


