- イー・ハー氏の共同リーダーとしての役割は、これまで同社を導いてきた元規制当局者であるリチャード・テン氏の安定した指導力を補完するものとなるだろう。
- テン氏は、「イー・ハー氏の革新的でユーザー重視のアプローチは、当社のビジョン、文化、そしてボトムアップ型の事業戦略の形成に大きく貢献してきた」と述べた。
暗号資産(仮想通貨)取引所大手のバイナンス(Binance)を、元CEOのチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏と共同設立した実業家、イー・ハー(Yi He)氏が、同社の共同CEOに就任すると、バイナンスのリチャード・テン(Richard Teng)CEOが12月2日のバイナンス・ブロックチェーン・ウィークで発表した。
バイナンスでマーケティング責任者を務めてきたイー・ハー氏は、これまで表舞台に立つことはなかった。公の場に頻繁に姿を現すジャオ氏(通称「CZ」)とは異なり、ハー氏は戦略立案、ブランディング、事業拡大に注力し、静かに業務を進めてきた。
1988年中国生まれのハー氏は、バイナンスが世界最大の暗号資産取引所へと成長する中で、ジャオ氏のリーダーシップを補完する戦略立案とイノベーションの立役者として広く知られている。
バイナンスの広報担当者は、ハー氏の共同CEOとしての役割は、アメリカの法執行措置やジャオ氏のCEO解任といった困難を乗り越え、バイナンスを導いてきた元規制当局者のテン氏の安定した手腕を補完するものになると述べた。
「ハー氏はバイナンスの立ち上げ以来、経営幹部チームに欠かせない存在だった。彼女の革新的でユーザー重視のアプローチは、当社のビジョン、文化、そしてボトムアップ型の事業戦略の形成に大きく貢献してきた」とテン氏は述べている。「今回の人事は自然な流れであり、彼女は今後も組織をますます力強く導いてくれるだろう」。
「我々は、ユーザーを常に第一に考え、世界で最も信頼され、規制された取引所となることを目指している。ハー氏は、10億人のユーザー獲得を目指す中で、コミュニティの成長と製品イノベーションの推進において重要な役割を果たしている。我々はともに、Web3インフラの構築と金融の自由の促進に注力し、人々がよりオープンで公正な金融システムに参加できるよう支援していく」とテン氏は付け加えた。
「規制された金融市場で数十年の経験を持ち、初期の暗号資産規制にいち早く取り組んだテン氏とともに、この事業を築けることを光栄に思う」とハー氏は述べた。 「我々は、多様な視点を持ち寄り、この極めて重要な時期に業界の未来をリードできると確信している。責任を持ってグローバル展開を拡大し、ユーザーを常に中心に置きながら持続可能なイノベーションを推進していく」。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:バイナンスの共同CEOに就任したイー・ハー氏(Binance)
|原文:Yi He, Arguably Crypto’s Most Powerful Woman, Becomes Binance’s New Co-CEO


