XRPは暴落中なのか? 2ドルを下回る状況が続いているのは問題:テクニカル分析
  • XRPの弱気派がついに2ドルの支持線を下回って確固たる足場を築いた。
  • これにより市場にさらなる売り注文が集まり、下落幅がさらに拡大する可能性がある。
  • その他の主要指標も弱気の見通しを支持している。

ダムの放水を見たことがあるだろうか。溜め込まれた水が止めようのない洪水となって押し寄せるのだ。

市場でも同じことが起きる。長く支えてきた価格の支持線が一旦崩れると、不満を抱えた保有者が供給を市場に流し込み、買い手を圧倒して価格を急落させる。

XRPの支持線は崩壊

この説明は決済特化型の暗号資産(仮想通貨)であるエックス・アール・ピー(XRP)に完璧に当てはまる。その価格はついに長らく維持されてきた2ドルの支持線を下回り、そこに足場を確立した。

今年1月以降、価格は数回この水準を下回ったが、2日以上維持されることはなく、下図のようにV字回復で急反発していた。

しかし今回は確固たる基盤を築いたようだ。12月14日に2ドルを割り込み、その後も留まっている。これは主要水準のテクニカル的ブレイクダウンを示す。XRPはフィンテック企業リップル(Ripple)が国際送金を促進するために使用する暗号資産だ。

弱気シグナルが積み上がる

他の指標も弱気の見通しを裏付けている。例えば、広く追跡されている50日、100日、200日の単純移動平均線(SMA)はいずれも下降傾向にあり、短期・長期トレンド双方で弱気な勢いを示している。

勢いやトレンド変化を測る指標であるMACD(マックディー:移動平均収束拡散)ヒストグラムは、ゼロよりも下でより深いバーを継続的に形成しており、下落圧力の強まりを示唆している。

[XRPの価格は2ドルのサポートを下回って足場を築いた。:TradingView]

サポートラインの突破と下降トレンドを示す移動平均線が重なり、さらなる下落の可能性を示唆している。目標値は1.63ドルだ。これはXRPが2024年の安値43セントから2025年の最高値3.66ドルまで上昇した強気相場における、61.8%フィボナッチリトレースメント水準だ。

61.8%という比率はフィボナッチ数列に由来し、黄金比として知られる。自然や人工構造物に頻繁に現れ、均衡と比例を定義する。市場では重要な支持領域として注視されている。

XRPのテクニカル面は弱気に見えるが、投資家は12月18日発表のアメリカのインフレデータに注目すべきだ。予想を下回る数値は市場全体に「リスクオン」ムードを呼び起こし、XRPや暗号資産を押し上げる可能性がある。

強気相場復活への道

XRPは7月以降、着実に下降トレンドを辿っており、価格の反発は前回より弱まっている。

強気派がこのパターンを打破しなければ、前向きな見通しを取り戻せない。つまり、11月下旬の弱気な反発時の高値2.27ドルを上回る必要がある。

ソラナは瀬戸際

ソラナ(SOL)は1カ月間、狭い横ばいチャネルに閉じ込められている。147ドルと121ドルの間で反発を繰り返しているのだ。このレンジは9月の高値253ドルからの急落後に形成されたもので、反発局面でも売り手が主導権を握り続けていることを示している。

記事執筆時点でSOLはチャネル下限付近で取引されており、潜在的なブレイクダウンの瀬戸際に立っている。このレンジ相場が弱気な形で決着すれば、より広範な下降トレンドの継続を示唆し、4月の安値95ドルが視野に入る。逆にブレイクアウトが起これば、弱気から強気への見通しの転換を意味する。

[SOLの日足チャート。:TradingView]

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Is XRP crashing? The sustained break below $2 signals trouble

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