中国・広東省、ブロックチェーンベースの融資プラットフォームをローンチ──中小企業への融資の迅速化が目的

中国・広東省は1月2日(現地時間)、ブロックチェーンベースの融資プラットフォームをローンチした。中小企業が銀行から融資を受けるプロセスを迅速化することが狙いだ。 

この広東省主導のプロジェクトは、中国最大級の保険会社「中国平安保険(Ping An Insurance)」のフィンテック子会社「ワンコネクト(OneConnect)」がサポートしている。新浪財経(Sina Finance)が伝えた

このプラットフォームは、銀行が中小企業に融資を行うプロセスを合理化することが目的。中小企業の信用格付けなど、詳細かつ信頼性の高い情報をブロックチェーンネットワークを使って提供する。

記事によると、このプラットフォームは2019年7月、中小企業への融資を迅速化・簡素化するために、近隣の香港およびマカオと接続したブロックチェーン融資プラットフォームをローンチした広東省政府の取組みの結果のようだ。

アリババグループのアント・フィナンシャル(Ant Financial)も同プラットフォームのユーザー。同社はスタートアップ企業を支援するために、独自のブロックチェーンネットワーク「アント・ブロックチェーン・オープン・アライアンス(Ant Blockchain Open Alliance)」のテストステージをローンチしたと2019年11月に発表した。一方、ワンコネクトは同月、アメリカでのIPOの新しい条件(500億円超)を申請した。

新しいプラットフォームは、広東省の機関の26のブロックチェーンネットワークから提供された中小企業の財務情報などに基づいて信用格付けを作成する。

「中小企業にとって銀行からの借り入れは、時間とコストがかかるものだった」と現地の金融規制当局の責任者、Xiaojun He氏は記事で述べた。

記事によると、このプラットフォームによって、中小企業は自社の知的財産と輸出入取引記録を使って銀行に融資を申請できるようになる。また自社の財務状況に応じて、319もの金融商品の中から適切なものを選択できるようになる。

プラットフォームは1100万社以上の企業と129の金融機関の情報を収集。記事によると、すでに現地のテクノロジースタートアップ企業と、中国工商銀行、中国建設銀行、平安銀行などの銀行との間の3件の取引を処理した。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Guangdong city image via Shutterstock
原文:Guangdong Blockchain Financing Platform Aims to Help Small Business