パリのイーサリアムイベントで10名以上が感染、詳細情報を共有・公開──新型コロナと戦うイーサリアムコミュニティ

パリのイーサリアムイベントで10名以上が感染、詳細情報を共有・公開──新型コロナと戦うイーサリアムコミュニティ

3月第1週にパリで開かれたイベント「EthCC」に参加したイーサリアムファンの中の10名以上は、その後、新型コロナウイルス検査で陽性反応を示している。参加者が作成し、公開したリストで明らかになった。

感染した参加者がリストを公開

これまでに少なくとも入院した参加者6名が、このリストを使ってコミュニティに警告した。CoinDeskは実名と症状を記したこのリストの内容を完全に確認できてはいない。

「この本能的で責任感にあふれた徹底的な透明性は、行動を変化させ、人命を救うかもしれない」とリストを作成したジャスティン・ドレーク(Justin Drake)氏はツイートした。

新型コロナウイルス(COVID-19)検査で陽性反応が出た20代の匿名のEthCC参加者は、陽性反応が出たパートナーから自宅でウイルスに感染した可能性があるものの、パリでのカンファレンスでは多くの予防措置は取られていなかったと述べた。

イベントは、非営利団体イーサリアム・フランス(Ethereum France)が計画し、コンセンシス(ConsenSys)や他の仮想通貨企業からのボランティアがスタッフを務めた。

「マスクや消毒液を持った人も数人いたが、多くはなかった」と彼女は述べた。

「EthCC参加者のほとんどは若く、ウイルスの影響を受けないと考えていた」

彼女はアメリカに帰国してから2日間入院し、まだかなり体調が悪いと付け加えた。現在出回っているリストに彼女は載っておらず、イベント参加者の感染者数はもっと多い可能性があることを示している。

「伝えられていないことは、息ができなくなるということ。(中略)溺れているように感じる」と彼女は呼吸器系の症状について述べた。

「EthCCを中止し、オンラインで開催しなかったことに本当に驚いている。(中略)すべてオンラインにすべきだったと思う」

リーダーシップへの疑問

コンセンシス・ラボ(ConsenSys Labs)の投資家ミン・テオ(Min Teo)氏は、このカンファレンスに参加した人は、症状に関わらず、全員自宅待機すべきとツイートした。

同様に、別の匿名のEthCC参加者もイーサリアム財団はイベント主催者に警告する際に、もっと積極的なアプローチを取ってくれるとよかったと述べた。

今回の事態は、エコシステム全体におけるリーダーシップと責任にまつわる疑問を提起したと匿名のEthCC参加者はCoinDeskに語った。

「イーサリアム財団には、予定されていたイベントに参加しないよう早期に警告する責任があったと思う。特に、ETHDenverでも体調を崩した人がいたのだから」と彼は述べた。

「イーサリアム財団がEthCCやEthGlobalをコントロールしていないことは理解している。しかし、早い段階でリーダー的地位にある人から警告があれば?」

共有されたリストはウイルスのさらなる感染拡大を防ぐための正しい方向への一歩かもしれない。

しかし、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のNational Adolescent and Young Adult Health Information Centerの共同ディレクター、クレア・ブリンディス(Claire Brindis)氏は、そうしたリストは将来的に人々をさらに大きなリスクにさらすかもしれないと述べた。

「特に最近見られるような外国人嫌悪の傾向がある場合、そうしたリストに掲載された人々は危険にさらされるかもしれない」とブリンディス氏は指摘した。

「予想外のマイナスの影響があると考えている。私もウイルスにさらされたとしたら知らせてほしいが、このような公の場ではない。人々がこの情報を他の人に敵対的な形で使うことを懸念している」

エコシステムへの影響

一部のイーサリアムファンにとって、今回の感染拡大はコミュニティのリーダーシップについての疑問を提起した。

「ビットコインコミュニティは、ビットコインのエコシステムに影響を与えることができるリーダー的人物がいるため、こうした問題に苦しむことはない」と匿名の男性参加者は述べた。

「今回のことがこうしたこと(イーサリアムイベント)の運営方法を変えることを願っている。(イーサリアムの)リーダーたちは、世界で起きている問題をもっと認識する必要があるように思える」

イーサリアムの共同創業者ジョー・ルービン(Joe Lubin)氏が率いるコンセンシスは、リモートワーク優先の方針のため「今回の混乱を切り抜け、事業の継続性を維持するための良いポジションにある」と声明で述べた。

ニューヨークで5月に開かれる同社のイベント「Ethereal」を含め、出張やイベントは今、完全にオンラインで行われている。

ルービン氏やその他のコンセンシス幹部は、一般公開されている感染者リストには載っていないが、リスト掲載者の一部は匿名だ。参加者によれば、ルービン氏も、イーサリアムの生みの親、ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏もパリのEthCCの会場にいた。

イーサリアムの生みの親ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は3月15日、自らは健康で症状が出たらコミュニティに知らせるとツイートした。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:Ethereum Community Grapples With Coronavirus as EthCC Cases Tick Upward

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