油田でビットコインマイニング、廃棄ガスを活用──原油価格急落がリスクに

油田でビットコインマイニング、廃棄ガスを活用──原油価格急落がリスクに

原油採掘の周辺でビジネスを展開する北米のビットコインマイナー。その多くは、原油価格が歴史的水準に下落した事実を、好機と捉えてはいない。

原油採掘企業は、環境保護のために排出ガスを削減する必要がある。そのため、採掘施設で余剰ガスを燃やす代わりに、一部のビットコインマイニング施設──カナダのアップストリームデータ(Upstream Data)、コロラド州のクルーソーエネルギー(Crusoe Energy)、そしてテキサス州のマイナーのDJビットレック(DJ Bitwreck)氏──は、余剰ガスを回収して数百台のビットコインマイニング機器の燃料にしている。

しかし、原油価格の急落で、採掘施設が今後停止するようなことが起きれば、余剰ガスの入手は困難になる。

3月に起きたようにビットコイン価格が劇的に下落すると、ビットコインマイニングは急速に不採算になり、一部のマイニング施設は、損失を被りながら運営を続けるより運営停止を選択する。

ビットコイン価格の低迷が続けば、低利益・不利益の状態を数カ月耐えられるのは、大規模施設だけだろう。

起業家はより安価な電力源を探す必要がある──そこに原油採掘時の廃産物は適していた。

石油会社の課題は金鉱

テキサス州では、DJビットレック氏として知られるビットコインマイナーは、フレアガス(油田から発生する余剰ガス)を回収するための新しいハードウエアを構築していると話す。4人の共同創業者が率いるチームは、この装置の構築にさらに5カ月の時間を費やすという。

「フレアガスが発生する場所に発電機と船用コンテナサイズのマイニング施設を設置できる場所を探している。とりわけフレアガスは原油生産者にとって頭痛の種であり課題。だが彼らの課題は我々の金鉱だ」と、DJビットレック氏は言う。

グレート・アメリカン・マイニング(Great American Mining)の共同創業者マーティ・ベント(Marty Bent)氏は、すでに2019年12月からノースダコタ州でこうしたビットコインマイニング施設を運営している。

ベント氏は、もし石油会社が操業を止めたら「使える副産物のガスがなくなる」と述べた。

「今回の崩壊が収まったあと、ビットコインマイニングのような代替的な収益源を検討する石油会社はどれくらいいるだろうか。

デジタルのパイプラインは有望だ!」

原油価格がマイナスとなったことはさておき、DJビットレック氏の見通しでは、5月のビットコイン半減期後まではマイナーが戦略を転換することに意味はない。

転覆した船から引き取る

仮に2020年にビットコイン価格が上がらなくても、上記で言及したスタートアップは適度な収益性と利益を維持している。

だが、仮に原油価格とビットコイン価格の両方が1年を通して低迷を続ければ、一部の大規模なビットコインマイニング施設以外はどうなるかはわからない。

「流れは非常に不安定になると予想しているが、非常に興奮している」とDJビットレックは語った。

「これが、すぐにマイニング機器を購入しない理由。荒れた海で転覆した船から機器を引き取ることが理想的だ」

翻訳:下和田 里咲
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:Negative Oil Prices Could Hurt Bitcoin Miners Who Use Flared Gas

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