リオティントと中国鉄鋼大手、貿易取引にブロックチェーン──スタンダードチャータード銀が初の人民元建て信用状

スタンダードチャータード銀行は、人民元を使った初めてのブロックチェーンベースの国際信用状(LC)取引を実施したと発表した。

ロンドンに拠点を置くスタンダードチャータード銀行(Standard Chartered)は、オーストラリア鉱業大手のリオティント(Rio Tinto)と中国鉄鋼大手の宝鋼集団(Baosteel)の間の取引が今週初め、ブロックチェーン貿易金融ネットワーク「コンツアー(Contour)」で行われたと述べた。

LCは特に国際商品において有用で、最終的に商品が到着した時点で代金が支払われることを売り手に保証する。

コンツアーでの初のLC取引は2019年8月、アジア地域の大手石油化学会社の間で行われた。当時、コンツアーはボルトロン(Voltron)と呼ばれていた。実験段階から参加していたスタンダードチャータード銀行は2020年1月、コンツアーに投資、金額は公表されていない。

コンツアーは、エンタープライズ向けブロックチェーンソフトウエア企業R3のコルダ(Corda)を使って構築されている。

宝鋼集団がコンツアーを使ったのは2度目。同社は12日、世界最大級の鉱山企業BHPと1億元(1410万ドル)を超えるLC取引を締結したと発表した。

また先週にはベトナムに拠点を置くHDBankもコンツアーに参加、紙ベースのLC取引から脱却し、コストと時間が節約できることを期待している。

「貿易金融における機会コストはきわめて大きい」とコンツアーのCEOで元R3アジアの責任者カール・ウェグナー(Carl Wegner)氏は2020年1月に述べた。

「毎日、何兆ドルものコモディティ、製品、サービスが取引されている。しかし、この分野はまだ時間がかかり、作業が重複し、コストがかかっている」

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:Standard Chartered Claims First Yuan-Based Letter of Credit Issued on a Blockchain