貿易金融スタートアップに大手金融グループがさらに投資──処理プロセスを大幅短縮

貿易金融スタートアップに大手金融グループがさらに投資──処理プロセスを大幅短縮

Brady Dale
公開日:2020年 2月 1日 09:30
更新日:2020年 2月 1日 09:30

スタンダードチャータード銀行は、コルダ(Corda)を使ったブロックチェーン貿易プラットフォーム「コンツアー」に投資した。金額は公表されていない。コンツアーは決済プロセスを効率化するプラットフォーム。

処理時間は2週間から1日未満に

ボルトロン(Voltron)からコンツアー(Contour)に社名変更した同社は、デジタル信用状(LoC:letter-of-credit)サービスのフルローンチに備えて、R3のアジア責任者カール・ウェグナー(Carl Wegner)氏をCEOに任命した。同プラットフォームは複数のパイロットプロジェクトにおいて、LoCの処理時間を2週間からわずか1日未満に削減したと同社は述べた。

スタンダードチャータード銀行のグローバル・トランザクション・バンキング責任者リサ・ロビンズ(Lisa Robins)氏は2020年1月28日(現地時間)、同行は必要な書類の量を削減することで貿易プロセスを効率化したと述べた。

信用状は銀行が裏付けした支払い保証のことで、売り手が支払われるべき金額を受け取ることができる譲渡可能な証拠となる。信用状は国境を超えた取引に不可欠だが、コンツアーによると処理と決済に最大で10日かかる。

コンツアーは、ベイン・アンド・カンパニー、バンコク銀行、BNPパリバ、HSBC、ING、SEB、R3、クリプトBLK、CTBCベンチャー・キャピタルが資本を提供している。こうした現在のパートナーの多くは、かつてボルトロンと呼ばれていた時に行われたトライアルにも参加していた。

コンツアーの名称変更はグローバル・トレード・レビュー(GTR:Global Trade Review)が先に報じた。

2020年下半期に商用化

「貿易金融における機会費用は莫大」とウェグナー氏は同社ブログへの投稿で述べた。

「何兆ドルのコモディティ、プロダクト、サービスが日々取引される。だが、このセクターはいまだに、遅く、重複し、コストのかさむプロセスを特徴としている。コンツアーは信頼できる情報がリアルタイムで共有され、取引にかかわるすべてのユーザーの信用状を効果的にデジタル化するネットワークを提供する」

ボルトロンと呼ばれていた時、同社は信用状デジタル化プラットフォームを国境を超えた石油輸出人民元建て取引においてテストし、ブロックチェーンを使った信用状スキームは処理時間を24時間に削減できることを発見した。

顧客企業も同意しているようだ。銀行と企業、合わせて50社以上が参加したトライアルへの参加組織の96%は2019年5月、ボルトロンはプロセスを改善できると述べた。

社名をコンツアーに変えた同社は2020年後半にそうした意見から利益を生み出そうとしている。ウェグナー氏によると同社は「現在、より多くの銀行、企業、パートナーとともにネットワークを拡大することに重点を置き、成長を続けるコミュニティーと協力を続けることを楽しみにしている」

コンツアーはプラットフォームの商用バージョンを2020年下半期にローンチし、それまでに技術スタッフを増強する計画とGTRは報じた。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:SHIPPING SOON: Contour, the recently-rebranded Voltron blockchain trade finance startup, plans to commercialize its letter-of-credit service following several successful pilot projects.
原文:Standard Chartered Invests More Money in Newly Rebranded Trade Finance Startup