ビットコインのマイニング難易度、変化はほぼゼロ──過去10年では異例

ビットコインのマイニング難易度は2週間でほぼ変化なく推移している。過去10年では異例の変化率だとして注目を集めている。

1日1時18分(協定世界時)、難易度は6月17日時点の15.7847Tからわずか0.0033%下がり15.7842Tとなった。BTC.comの表示は前回同様の「15.78T」で、これは2010年3月以来のことだ。

  • ビットコインのマイニング難易度はネットワーク上でブロック報酬を競い合う難しさを決めるもの。
  • 2016ブロックごと(約2週間ごと)にマイニングに参加している演算能力に基づいて調整される。
  • 7月1日のごくわずかな調整は、この14日間でビットコインネットワークに接続されている演算能力にほぼ変化がなかったことを意味している。

振り返ると、2009年にジェネシスブロック(最初のブロック)がマイニングされた後、1年間は難易度に変化はなく、2010年初めに上昇を始めた。

  • 以来、難易度の変化率がマイナス、プラスにかかわらず、0.1%未満だったのはわずかに8回のみ。
  • 今回が最も小さな変化となった。
  • ビットコインネットワークの演算能力は、マイニングに対する報酬が半減した5月に大幅に低下したが、その後に回復。3月初旬に記録した過去最高水準を超えるにはまだ時間がかかる。
  • ビットコインのボラティリティはきわめて低い水準にあり、過去2カ月、9000ドル〜1万ドルの狭いレンジで取引されている。

大手ビットコイン機器メーカーの出荷問題も報じられている。

  • 大手ビットコイン機器メーカー、ビットメイン(Bitmain)の2人の共同創業者による社内抗争は、同社の出荷に影響を与えている。
  • 一部の顧客はこの状況が落ち着くまで、同社からの大規模購入を控えている。
  • ビットメインは6月23日、出荷問題を解決する暫定的な合意が図られたとする文書を掲載したが、4時間で削除された。
  • それでも、ビットメインからの機器購入を続ける顧客もいる。
  • マイニング機器のホスティングを行うコア・サイエンティフィック(Core Scientific)は、ビットメインの最新機器アントマイナーS19(AntMiner S19)を1万7595台購入したと発表した。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸、佐藤茂
写真:Shutterstock
原文:Bitcoin’s Mining Difficulty Has Rarely Been This Static in a Decade