クリスティーズ、ビットコインのアート作品を初めて競売へ──落札価格は1万2000ドル超か

ビットコイン・ブロックチェーンのコードが書かれた40枚の絵画を組み合わせたアート作品が、クリスティーズ・ニューヨークのオークションにかけられる。

オークション会社のクリスティーズは10月7日、「ロバート・アリス・プロジェクト」と名づけらた40枚の絵画の21点を競売にかける。クリスティーズが発表した。

40点の絵画のうち、前半の作品(Block0〜20)はすでに非公開で販売されている。購入者はコレクターのほか、暗号資産取引所「バイナンス」のジャオ・チャンポンCEOや、ブロック(Bloq)のマシュー・ロスザック会長、コインスクラム(Coinscrum)創業者のポール・ゴードン氏などの、暗号資産やブロックチェーン業界の著名人だという。

このアート・プロジェクトは、ロンドン在住のアーティスト、ベンジャミン・ジェンティリ(Benjamin Gentilli)氏が視覚芸術でブロックチェーン・カルチャーを広める目的でスタートさせた。制作はジェンティリ氏が単独で行い、3年を費やした。

デジタル表現としてのノン・ファンジブル・トークン

来月7日にオークションが行われる「Block 21」は、1日~7日までクリスティーズ・ニューヨークのギャラリーで展示される。落札価格は1万2000ドル(約126万円)〜1万8000ドル(約190万円)と予想されている。

また作品はイーサリアムベースのノン・ファンジブル・トークン(NFT)と関連づけられており、NFTは真正性の証明と、物理的な絵画のデジタル表現という2つの役割を担う。

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「ノン・ファンジブル・トークンにはイーサリアム・ブロックチェーンが使われ、すべての始まりとしてのビットコイン・コードと、エコシステムの出発点との間のつながりを描いている」とジェンティリ氏は述べた。

クリスティーズ・ニューヨークの現代芸術の専門家、ビビアン・ブロディ(Vivian Brodie)氏は、「オークションで暗号資産(仮想通貨)カルチャーに関する作品を提供するのはクリスティーズでは初めてのこと。世界中の新しい顧客や収集家コミュニティをクリスティーズに迎えられることを非常にうれしく思っている」と述べた。

翻訳:石田 麻衣子
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:Detail of Robert Alice, Block 22 (The Robert Alice project)
原文:Christie’s to Auction Bitcoin-Inspired Artwork, Associated Non-Fungible Token