ダイムラーが開発するモビリティプラットフォームの実力──車でネットワーキングする

メルセデス・ベンツのダイムラー(Daimler)が、ブロックチェーンを活用したモビリティ・プラットフォーム「MoveX」を発表した。普段乗る車とは異なる車両でも、オーディオやシート、ライトなどの設定を引き継いでくれる。

ダイムラーは9月24日、オントロジー(Ontology)と共同でMoveXの開発を進めていると発表。オントロジーは、デジタルIDとデータに特化したオープンソース・ブロックチェーンだ。

2社の協業から生まれた最初の製品「ウェルカム・ホーム(Welcome Home)」は、ユーザーの好みの設定を他の車にも自動で引き継ぐことが可能だ。

オントロジーのグロリア・ウー(Gloria Wu)氏によると、ユーザーは『ウェルカム・ホーム』アプリを使えば、登録作業を行わなくてもレンタカー会社にアクセスすることができる。

また、レンタカー会社やカーリース会社がプラットフォームに登録していれば、ユーザーはあらゆる場所でID情報と好みの車内設定を利用できる。

スマートデバイスにも対応

「『ウェルカム・ホーム』はモビリティにソーシャル・ネットワーキングを組み合わせたもの」とダイムラー・モビリティ(Daimler Mobility)のハリー・ベーレンス(Harry Behrens)氏は言う。発表によると、プラットフォームは車内での体験だけではなく、スマートデバイスにも対応している。

「何を食べたのか、どんな旅行プランだったのかを自分のプロフィールに保存することができる。友人が『ウェルカム・ホーム』を使っていれば、その友人にその情報をシェアすることができる」とオントロジーのウー氏は述べた。

同氏によると、このプラットフォームは10月に、ビジネスパートナーやオペレーターなどの事業者向けにリリースされる。

翻訳:石田 麻衣子
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:Uriel Soberanes/Unsplash
原文:Different Cars, Same Radio Presets: Daimler Blockchain Venture Lets Settings Follow Users