ビットコイン、価格変動はテスラ株より小さい

ビットコイン(BTC)はこれまで、ボラティリティ(価格変動)の大きさが市場関係者から批判されてきたが、過去数カ月にわたるその値動きはテスラの株価よりも小さい。

リアライズド・ボラティリティ(実際の価格変動から算出した数値)を見ると、テスラ株(TSLA)は6月末以降、ビットコインを上回っている。さらに、ビットコインとテスラ株のボラティリティの差は、過去数週間で広がっている。

ビットコインとテスラ株の30日リアライズド・ボラティリティ
出典:CoinDesk Research

トレーディングビュー(TradingView)のデータによると、ビットコインは過去27日間のうち14日、1日あたりの価格変動が1.25%以下にとどまっている。一方、テスラが同期間で1.25%以下の価格変動にとどまったのはわずか6%のみとデータサイトのスキュー(Skew)は9月28日にツイートした。

「ビットコインの価格変動は驚くほど大きいと思われがちだが、多くの人気ハイテク株と比べると、そこまで大きいわけではない」とスキューの共同設立者兼CEOのエマニュエル・ゴー(Emmanuel Goh)氏は話す。

短期的な売り圧力に直面か

ビットコインとテスラ株の価格チャート
出典:TradingView

価格チャートを見ると、ビットコインもテスラも今月は両方向の動きを見せており、トライアングル(三角保合い)を示している。テスラの直近1カ月の価格下落率は18%で、ビットコインの6%よりもはるかに大きい。

ビットコインの30日ヒストリカル・ボラティリティ(リアライズド・ボラティリティとほぼ同意)は9月3日以降、約55%(年率換算)で横ばいだ。

さらに30日インプライド・ボラティリティー(オプション市場の価格を使って計算される価格変動の予想値)は44%まで低下し、約2年で最低水準となっている。過去には大きな変動の前にインプライド・ボラティリティが50%を切ることもあった。

トレンドの変化と強さを示すMACDヒストグラムはゼロ以下となり、弱気を示している。つまりビットコインは、短期的にはチャート主導の売り圧力に直面する可能性がある。

翻訳:下和田 里咲
編集:増田隆幸、佐藤茂
写真:humphery/Shutterstock
原文:Bitcoin Has Been Less Volatile Than Tesla Stock for Months