米議会の与野党、93兆円のコロナ対策に合意──ビットコイン、上昇に転じる

米議会の与野党指導部は12月20日(東部時間)、9000億ドル(約93兆円)規模の新型コロナウイルス追加経済対策について合意に達した。複数の報道機関が報じた。上下両院で21日までに法案可決を目指す。

ビットコインの価格は21日早朝(日本時間6時頃)、2万4220ドル近辺から下落していたが、追加経済対策のニュースが報じられると、上昇に転じた。

WSJが20日に伝えたところによると、法案の条文は公表されていないが、対策には失業給付金の週300ドルの上乗せ、大人1人あたり600ドルの給付、さらに学校、中小企業、ワクチンへの支援を提供するという。

経済刺激策を歓迎する人たちにとっては朗報だが、一部の共和党上院議員が目論んだ大規模な緩和策は部分的にしか成功しなかったとWSJは伝えた。

暗号資産に与える影響

この追加対策は、暗号資産(仮想通貨)に大きな影響を与えることになる。

その1:追加の経済刺激策は株式市場を押し上げることになるため、暗号資産の価格を上昇させる可能性もある。特に給付金を受け取った人たちが暗号資産を購入すれば、その可能性はさらに大きくなる。

その2:暗号資産投資家は、新型コロナウイルス感染拡大による景気後退に対する政府やFRB(連邦準備制度理事会)の膨大な刺激策は、最終的にインフレを引き起こすと考えている。またそうした考え方が今年、ビットコイン価格を押し上げてきた。

その3:経済刺激策は、FRBの独立性に疑問を投げかけている。FRBは短期的な景気低迷を防ぐために、ほぼ思うままにドル紙幣を増刷しており、こうした積極的な支出が生み出す多額の負債に対する批判にさらされている。

翻訳:新井朝子
編集:増田隆幸、佐藤茂
写真:The US. Capitol(Shutterstock)
原文:US Lawmakers Reach Agreement on Stimulus Bill, Vote Could Come Tonight, McConnell Says: CNBC