ビットコイン、4万ドル超えなければ弱気ムード強まる可能性:JPモルガン

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは昨年末から急激な価格高騰を続けたが、4万ドルの水準を取り戻さなければ、直近の弱気(bearish)センチメントがさらに強まる可能性があると、米銀最大手JPモルガン・チェースのアナリストが分析した。ブルームバーグが18日に報じた。

同行のアナリストは、ビットコインが4万ドル水準を取り戻すには、機関投資家向けの暗号資産ファンドへの安定的な資金流入が必要だとする見解を述べている。

JPモルガンのストラテジストと同社グローバルマーケット戦略責任者のNikolaos Panigirtzoglou氏は、米グレイスケール・インベストメンツが保有する数十億ドル規模のビットコインファンド(トラスト)への大量の資金流入が、同水準を維持するためには不可欠と見ている。この分析では、ビットコイン先物の需要も考慮している。

ビットコインファンドへの資金の流れ

JPモルガンのレポートは、短期トレンドの変化の可能性を指摘する一方、機関投資家からの資金が枯渇することで多くの投資家が市場から離れ、弱気の見通しが生まれる可能性があるという。

「(ビットコインが)4万ドルを突破するためには、グレイスケール・ビットコイン・トラスト(Grayscale Bitcoin Trust)への資金流入は、数日から数週間にわたって1日あたり1億ドルのペースを維持する必要があるだろう」とJPモルガンは15日付の投資家向けレターで述べている。

グレイスケールは、今月15日の1日で7億ドル以上の資金を集めたと発表。同社にとって1日あたりの金額としては過去最大となったが、同水準がいつまで維持されるかはわからない。

ビットコインは昨年11月に2万ドルに向けて上昇していた時と似たような状況にあるようだ。12月16日に2万ドルを超えたが、この値動きにはグレイスケールへの資金流入が関係していたとJPモルガンのアナリストは述べた。

またアナリストは、トレーダーは「この数週間の修正を拡大させるだろう」とも述べ、ビットコイン価値が20%以上急落した10日の動きに触れた。仮にビットコインが4万ドルの回復に失敗した場合、「勢いのサインは、ここから3月末まで自然と消えていく」とアナリストはレポートで述べている。

|翻訳:新井朝子
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:TK Kurikawa/Shutterstock
|原文Bitcoin’s Price Must Pass $40K to Halt Exodus of Traders: JPMorgan Analysts