CFTC、バイナンスにアメリカでの業務停止を求める可能性:バーンスタイン

米商品先物取引委員会(CFTC)は和解条件の一つとして、暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)にアメリカでの業務停止を求める可能性があるとバーンスタイン(Bernstein)は3月28日の調査報告書で述べた。

バーンスタインの報告書は、米国市民に未登録のデリバティブ取引を提供し、同国の法律を故意に回避したとして、CFTCがこの取引所と創業者であるチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏を訴えた後に公表された。

CFTCはバイナンスを、先物取引および取引所外商品オプションに関する法律違反、先物手数料商、指定契約市場、スワップ執行機関としての登録漏れ、および本人確認(KYC)またはマネーロンダリング防止(AML)プロセスに関して告発している。

バイナンスUSはバイナンスの事業全体の中ではマイナーな存在であり、その規模は全体の5%未満だという。

暗号資産取引が世界的なビジネスであることを考えると、バイナンスが「そのドル箱であるヨーロッパ、アフリカ、オーストラリアなどでの支配的な国際ビジネスを守ることを目指す」だろうとアナリストのゴータム・チュガニ(Gautam Chhugani)氏とマヌス・アグラワル(Manus Agrawal)氏は書いている。

バーンスタインは、バイナンスUSの事業は重要ではないため、今回の規制当局の措置は「暗号資産市場全体にとっては重要ではない」とし、「規制のストーリー」はアメリカから香港と中国へと軸足を移すと考えられているので、このニュースが市場で大きな売りを誘発するとは考えていないとしている。香港のリテール暗号資産市場は6月1日から開放されると予想されている。

時価総額で最大の仮想通貨であるビットコイン(BTC)は、記事執筆時点で2.8%安の2万7047ドルで取引されている。

バーンスタインは引き続き、アメリカで規制の転換が起こるまでは香港と中国の規制上のポジティブな要素が、アメリカ市場から発せられるネガティブなニュースを相殺すると予想しているという。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:CFTC Could Force Binance to Cease U.S. Operations as Part of Settlement: Bernstein