ジャクソンホール会議を控え、主要なビットコイン指標は弱気相場への転換を示唆:テクニカル分析
  • デリビットの180日コール・プット・スキューは2年以上ぶりの大幅なマイナスとなっている。
  • BTCの価格は主要移動平均線を下回り、トレンドの反転を示唆している。

トレーダーがジャクソンホールでのジェローム・パウエル(Jerome Powell)連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を待つ中、ビットコイン(BTC)の主要指標は弱気相場への移行を示唆している。

まず1つ目は、取引高と建玉残高で最大の暗号資産(仮想通貨)オプション取引所であるデリビット(Deribit)のオプション取引から得られた180日間のコール・プット・スキューだ。

Amberdataのデータによると、記事執筆時点で180日間のスキューはマイナス0.42で、2023年6月以来の最低水準となっている。コール・プット・スキューがマイナスになっていることは、トレーダーがコールオプションよりもプットオプション(価格下落に対する保護を提供する)の需要を織り込んでいることを示唆している。このデータは、市場の警戒感の高まり、あるいは中期的な弱気センチメントと解釈できる。

オプション・インサイツ(Options Insights)の創設者イムラン・ラクハ(Imran Lakha)氏はXで、「BTCの長期スキューがプットプレミアムに転じていることは、市場体制の転換の兆候かもしれない」と述べた

[BTCの180日間スキュー。:Deribit/Amberdata]

このマイナスの数字は、2年間プラスの動きが続いて強気なコールオプションへのバイアスを示していたことから、レジームシフトの兆候と言える。

さらに重要なのは、BTCは1週間前に記録した12万4000ドルを超える過去最高値からわずか8%しか下落していないことだ。しかし、長期的なセンチメントは弱気に転じている。

ラクハ氏によると、この価格下落はプットオプションの需要を喚起したという。

「ビットコインとイーサリアム(ETH)のスキューは、市場の調整に伴いプットプレミアムに向かっている。BTCは2026年3月までコールプレミアムを再び見られないだろう。この下落は、11万ドルの権利行使価格付近で8月/9月限のプットオプションの買いを誘発した。コールオプションとコールスプレッドは、ロングポジションがパウエル議長のジャクソンホール講演に向けてリスク回避を図る中で売られている」とラクハ氏はブログ投稿で述べた

パウエルFRB議長は、8月22日に開催されるジャクソンホール会議で講演する予定だ。ナンセン(Nansen)のリサーチアナリスト、ニコライ・ソンダーガード(Nicolai Sondergaard)氏によると、ほとんどのトレーダーはパウエル議長が9月の利下げを示唆すると予想しており、もし予想通りの利下げを示せば、市場は調整する可能性があるという。

ソンダーガード氏は、「現段階では市場は概ね利下げを予想しており、その大半はすでに織り込まれている。パウエル議長がまさに予想通りの利下げを実施すれば、暗号資産市場は横ばいから小幅な弱気相場となる可能性があり、これは典型的な『ニュースで売る』の動きと言える。一方、FRBが予想よりも大幅な利下げサイクルや急速な利下げを示唆すれば、新たなリスク選好が刺激され、暗号資産市場の次の強気相場の舞台が整う可能性がある」と述べた。

株式トレーダーはプットオプションを狙う

BTCの下落リスク回避への需要は、主要テクノロジー株の売りに備えているウォール街の動きと一致している。

22Vリサーチ・グループ(22V Research Group)のデリバティブ戦略責任者、ジェフ・ジェイコブソン(Jeff Jacobson)氏はブルームバーグに対し、「トレーダーはナスダック100指数に連動するインベスコQQQトラスト・シリーズ1 ETFの『破滅的』プットオプションを買っている」と述べた

グッピー・マルチプル移動平均(GMMA)指標も

弱気相場への転換を示す2つ目の指標は、グッピー・マルチプル移動平均(GMMA)だ。

オーストラリアのトレーダー、ダリル・グッピー(Daryl Guppy)氏が開発したこの指標は、複数の指数平滑移動平均線(EMA)を短期と長期の2つのカテゴリーに分類して比較することで、トレーダーがトレンドの変化を読み、トレンド相場で取引するのに役立つものだ。緑のバンド(短期移動平均)が赤のバンド(長期移動平均)を上回る「強気のクロス」が発生すると、上昇モメンタムが加速していることを示している。

[BTCの日足チャート。:TradingView]

現在、BTC価格はグッピー移動平均線を下回っている。これは強気派が制御を失い、長期的なセンチメントが弱気方向に転じている可能性を示唆している。これは、下落モメンタムが強まり、価格が顕著に下落する兆候となることを示唆する警告サインと捉えられることが多い。

MACD(マックディー:移動平均収束拡散)ヒストグラムなどの他の指標も、下落モメンタムの強まりを示唆している。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CoinDesk Archives
|原文:Key Bitcoin Indicators Hint at Bearish Regime Shift as Jackson Hole Nears

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