- ジェローム・パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、8月22日にジャクソンホールで行われた講演で、9月の利下げの可能性に扉を開いた。
- パウエル氏は、「雇用に対する下振れリスクが高まっている」と述べた。
- この1週間圧力にさらされていたビットコインは、このハト派的な発言を受けて急騰した。
ジェローム・パウエルFRB議長は8月22日、9月の利下げを選択肢として確実に提示した。タカ派的なトーンを予想していた市場にとって、これは驚きであった。
ジャクソンホールで開催されたカンザスシティ連銀の経済シンポジウムで講演したパウエル氏は、リスクのバランスの変化が政策調整を正当化する可能性があると述べた。
パウエル氏は、「雇用に対する下振れリスクが高まっている」と語り、「もしこれらのリスクが現実のものとなれば、人員削減の急増や失業率の上昇といった形で急速に進行する可能性がある」と述べた。
この発言が伝わった後、ビットコイン(BTC)は2%ほど上昇し、11万4200ドルとなった。米国株式は1%以上上昇し、10年物国債の利回りは6ベーシスポイント低下して4.27%となった。ドル指数は約0.5%下落し、金は0.6%上昇した。
パウエル氏のスピーチに先立つ数日間、タカ派的な発言を予想した暗号資産(仮想通貨)を含むリスク市場は、かなりの圧力にさらされていた。
わずか1週間前には、9月の利下げ期待がほぼ100%にまで高まり、ビットコインは12万4000ドルを超える史上最高値を記録した。しかし、その後利下げの期待は急速に後退し、講演の数時間前までにはわずか69%に低下。それに伴い、ビットコインは10%近く下落して、11万2000ドルとなった。
CMEのFedWatchツールによると、パウエル氏の講演後の数分間で、市場が見込む9月の利下げの確率は再び90%近くまで上昇した。
この期間、おそらくより投機的であるイーサリアム(ETH)の下落幅はさらに大きく、史上最高値まであと数ドルのところまで迫っていた後、約12%も急落した。イーサリアムはパウエル氏のスピーチ以来、8%近く反発している。
伝統的な市場では、ナスダック指数も利下げの可能性の低下を織り込み、過去数日間で3%下落していた。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:ジェローム・パウエルFRB議長(miss.cabul / Shutterstock.com)
|原文:Powell Puts September Rate Cut in Play; Bitcoin Pushes Higher


