- ビットコインはパウエル議長発言以前の水準まで戻り、テクニカル的に弱気な状況を維持している。
- BTCの主要なサポートは11万756ドルで、200日単純移動平均線び1万887ドル付近も重要なサポートラインになっている。
- イーサリアムのチャートは、同事足とRSIの弱気なダイバージェンスを示している。
ビットコイン(BTC)は8月22日にジェローム・パウエル(Jerome Powell)アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)議長がハト派的な発言をし、9月の利下げの可能性が高まる以前の水準まで下落した。
BTCは22日に11万7440ドル付近まで上昇した後、記事執筆時点では11万2000ドル付近で取引されている。日足チャートをテクニカル的に分析すると、11万7000ドルの高値からの反落により、4月の安値から始まった強気トレンドラインによって定義されたレジスタンスライン付近で、下値を切り下げた高値が確立されていることがわかる。
この下値切り下げは、以前のトレンドラインのブレイクダウンを裏付け、弱気な価格変動の継続を示唆している。この見方を補完するものとして、グッピー・マルチプル移動平均(GMMA)指標は、短期移動平均線(白線)が長期平均線(赤線)を下回るクロスオーバーが差し迫っていることで、弱気のモメンタムへのシフトを裏付けている。
週足チャートでは、MACD(マックディー:移動平均収束拡散)ヒストグラムがゼロ以下の数値で新たな取引週を開始し、下降モメンタムが加速する可能性を浮き彫りにしている。

パウエル議長の講演などの好材料にもかかわらず、持続的な上昇に抵抗があり、一連の弱気なテクニカルパターンを維持している市場について、皆さんはどう思うだろうか。賢明なる読者の判断に委ねたいと思う。
重要なテクニカルサポートは、一目均衡表の雲の下限である 11万756 ドルで、より強力なサポートゾーンは10万ドル近くの200日単純移動平均線(SMA)だ。一方、強気の見通しを復活させるには、22日の高値である 11万7440ドルに戻ることが不可欠だ。
サポート:11万756ドル、10万887ドル、10万ドル。
レジスタンス:11万7440ドル、12万ドル、12万2056ドル。
イーサリアム:上昇モメンタムの喪失
イーサリアム(ETH)は8月24日に、顕著な上ヒゲを持つ同事足を形成し、過去最高値での市場の動揺を示唆した。このローソク足パターンは、始値と終値が収束し、買い手と売り手の膠着状態を反映して形成される。
しかし、今回のケースで比較的長い上ヒゲが見られたことは、強気派が価格を押し上げようとした試みが弱気派からの大きな反発に直面し、引け前に価格が下落したことを意味する。
同事線自体は反転を保証するものではないが、不確実性と上昇モメンタムの喪失の可能性を示唆している。これは、反転の可能性や、市場が方向性を示す新たなきっかけを待つ調整局面の前兆となることが多いため、注意が必要だ。

14日間の相対力指数(RSI)が週末にかけて低い高値を示しており、新たな価格高値と矛盾する動きを示したため、調整局面が近づいている可能性が高い。いわゆる「弱気のダイバージェンス」は上昇モメンタムの弱化を示唆し、しばしば調整を引き起こす。
興味深いことに、イーサリアムは記事執筆時点には4580ドル前後で、前日比4%安で取引されており、チャートでは4065ドルにサポートラインが示されている。この水準は、ETHが8月20日に上昇に転じたポイントだ。
サポート:4065ドル、4000ドル、3805ドル(50日SMA)。
レジスタンス:5000ドル、過去最高値。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:TradingView/CoinDesk
|原文:Bitcoin Chalks Out Lower Price High After Powell, Ether Prints Doji at Lifetime Peak


