- バーンスタイン(Bernstein)は、IRENの目標株価を20ドルから75ドルに引き上げ、同社株に対する「アウトパフォーム」の格付けを維持した。
- バーンスタインは、IRENに対する評価モデルをサム・オブ・ザ・パーツモデルに切り替え、その価値の87%がAIに由来するとした。これは、株価に再評価の余地があることを示唆するものだ。
米国最大の自己運営型ビットコイン(BTC)マイナーの一社であるIRENは、他のマイナーから抜きん出ており、ウォール街もそれに注目している。
証券会社バーンスタインのアナリストらは、IRENの目標株価を20ドルから75ドルに引き上げた。これは約80%の上昇を意味する。IRENがコアウィーブ(CoreWeave)のようなパートナーとのコロケーション取引に頼るのではなく、自社でAIクラウド事業を構築することに力を入れていることを受けての引き上げである。
IREN株はすでに大きな動きを見せており、4月に付けた52週安値の5.13ドルから8倍以上の上昇を遂げた。株価は前年比で、365%上昇している。
バーンスタインは、資本集約的なデータセンターの構築を実行し、ハイパースケーラーやエヌビディア(Nvidia)と連携するAIクラウド事業者と競争するIRENの能力について初期には懐疑的であったが、現在ではIRENのAIへの転換は信頼できるものと見なしている。
バーンスタインのレポートは、IRENが急速な成長を計画していると指摘した。2025年第1四半期の年間経常収益が約1400万ドル(約21億円、1ドル=149円換算)であったのに対し、2026年第1四半期には2万3300のGPUで5億ドルに達する見込みである。
AI以外にも、IRENは3ギガワット(GW)の電力ポートフォリオで柔軟性を維持しており、メガワットあたりの収益を最大化するためにビットコインマイニングとAIワークロードのバランスを取っていると、ガウタム・チュガニ(Gautam Chhugani)氏が率いるバーンスタインのアナリストらは主張した。
アナリストらによると、IRENの50EH/sのマイニング事業は、現在のビットコイン価格で年間6億ドルのEBITDA(利払い前、税引き前、減価償却前利益)を生むと推定されており、AIへの拡大資金を賄っている。
バーンスタインは評価アプローチをサム・オブ・ザ・パーツモデルに切り替え、IRENのテキサス州西部にある2GWの施設でのAIクラウドとコロケーションの潜在力に企業価値の87%を割り当て、残りの13%をビットコインマイニングから得られるものとした。
改訂された目標株価では、IREN株はメガワット(MW)あたり750万ドルで取引されることになり、他のAIに焦点を当てたマイナーを上回るが、コアウィーブのような確立されたデータセンター事業者よりはまだはるかに低い水準であり、さらなるマルチプル拡大の余地があることを示唆していると、同レポートは付け加えた。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Miner IREN Has 80% Potential Upside Thanks to Big Bet on AI Cloud: Bernstein


