- 金価格が新たな史上最高値を記録したことを受け、トークン化された金市場の時価総額は約29億ドルまで上昇した。
- DefiLlamaのデータによると、テザーゴールド(XAUT)とパックスゴールド(PAXG)は9月、それぞれ32億ドルを超える過去最高の月間取引高を記録し、パックスゴールドは4000万ドルの純流入も集めた。
- 金価格の高騰は、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策に対する予想、インフレ圧力、および米政府閉鎖の可能性によって引き起こされた。
金価格の歴史的な高騰は9月29日、さらに加速し、現物価格は1オンスあたり3800ドルを突破して新たな史上最高値を記録した。これにより金は、年初来で約47%上昇という猛烈な勢いを継続している。
この急騰は暗号資産(仮想通貨)の領域にも波及しており、金を裏付けとしたトークンの時価総額は28億8000万ドル(約4300億円、1ドル=149円換算)という過去最高に達したと、CoinGeckoのデータは示している。
トークン化されたバージョンの金は現物の準備資産によって裏付けられているが、ブロックチェーンのレール上で決済され、24時間体制の取引とほぼ瞬時の送金を可能にしている。
テザーゴールドとパクソス(Paxos)のパックスゴールドは、どちらも主にステーブルコインで知られる企業によって発行されたトークンであり、この分野を支配している。テザーゴールドの時価総額は約14億3000万ドル、パックスゴールドは約11億2000万ドルで、どちらもそれぞれの史上最高水準にある。
この高騰に伴い、流動性も膨れ上がっている。パックスゴールドは9月中に4000万ドル以上の純流入を集め、月間取引高も32億ドルを超えて新たな取引高記録を樹立した。

DefiLlamaによると、テザーゴールドも32億5000万ドルという記録的な月間取引高を記録した。8月には4億3700万ドル相当と、流通するトークンの急増があった後、今月は新たなトークンの発行がなかったため、テザーゴールドの時価総額の成長は、基盤となる金の価値上昇のみによるものだった。

マクロ経済の状況が金にとって引き続き好意的であるため、トークン化された金市場はさらに成長し続ける可能性がある。投資家の間で、さらなる米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げと米ドルの軟化を予期する見方が高まる一方、米国の政府閉鎖の可能性に対する不安も高まっている。
一方、「デジタルゴールド」と呼ばれることが多いビットコイン(BTC)は、年初来リターンが22%であり、金のパフォーマンスに遅れをとっている。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Planet Volumes/Unsplash
|原文:Tokenized Gold Market Nears $3B as Bullion Blasts to Fresh Record Highs


