- アーク・インベスト(ARK Invest)は、「ARK Venture Fund」の一部として、トークン化企業セキュリタイズ(Securitize)に投資を行った。
- 同ファンドのセキュリタイズへの投資額は約1000万ドルと評価されており、同ファンドの最新情報によると、ファンド内で8番目に大きなポジションとなっている。
- 現実資産のトークン化は金融業界で急速に成長しているトレンドであり、市場は今年2倍になり、この10年間で数兆ドルに達すると予測されている。
キャシー・ウッド(Cathie Wood)CEOが率いる資産運用会社アーク・インベストは、ウォール街が資産のオンチェーン化を急ぐ中、トークン化の専門企業セキュリタイズに投資し、トークン化に対して積極的な賭けに出た。
「ARK Venture Fund」は、公開企業および非公開企業に投資するARKのクローズドエンド型アクティブ運用ファンドである。
同ファンドが9月30日付で開示した最新情報によると、セキュリタイズへの投資比率が資産の3.25%を占め、人工知能(AI)企業のX.AIおよびAnthropicに次いで同ファンドの保有銘柄中8番目の規模となっている。
CoinDeskの計算によると、9月30日時点でのファンドの純資産総額3億2530万ドル(約490億円、1ドル=150円換算)に基づき、アークのセキュリタイズへの投資額は約1000万ドルと評価される。
アークの投資は、トークン化が暗号資産(仮想通貨)分野における最も注目されるトレンドの1つとして台頭する中で行われた。
トークン化とは、債券、ファンド、株式などの伝統的な金融商品を、ブロックチェーンにもたらすプロセスである。世界中の銀行や資産運用会社が、決済時間の短縮、投資家アクセスの拡大、市場の24時間開放のためにトークン化を検討している。
トークン化には、莫大な規模の機会が潜んでいる。RWA.xyzのデータによると、トークン化された資産市場は年初来で112%成長し、330億ドルに達しており、リップル(Ripple)とBCGの予測では、2033年までに18兆9000億ドルに膨れ上がる可能性がある。
2017年に設立され、CEOのカルロス・ドミンゴ(Carlos Domingo)氏が率いるセキュリタイズは、トークン化分野で先駆けとなった企業の1社である。同社は、ブラックロック(BlackRock)、ハミルトン・レーン(Hamilton Lane)、アポロ(Apollo)などの伝統的な金融大手と協力し、46億ドルのトークン化された資産を発行している。
また、ブラックロックのトークン化されたマネーマーケットファンドであるBlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund(BUIDL)の発行元としても知られており、同ファンドは運用資産残高28億ドルと、トークン化された米国債セクターをリードしている。
セキュリタイズはまた、株式のトークン化にも積極的であり、2022年に上場ウォレットプロバイダー、エクソダス(Exodus)のオンチェーン株式を作成し、イーサリアム(ETH)トレジャリー企業FGネクサス(FG Nexus)と、その普通株と優先株をイーサリアムブロックチェーンに導入するための契約を締結した。
アークの投資は、セキュリタイズが昨年実施した4700万ドルの資金調達ラウンドに続くものであり、そのラウンドはブラックロックとハミルトン・レーンが主導し、パラFiキャピタル(ParaFi Capital)とトレードウェブ・マーケッツ(Tradeweb Markets)も参加した。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:アーク・インベストのCEO兼CIOキャシー・ウッド氏(Danny Nelson/CoinDesk、CoinDeskが加工)
|原文:Cathie Wood’s ARK Bets on Tokenization With a Stake in BlackRock-Backed Securitize


