- 2018年のビットコインの弱気相場の底値とその後の上昇転換は、米国政府の閉鎖と再開とタイミングが一致していた。
- 今回の政府閉鎖は、金価格の史上最高値更新と大規模なレバレッジ清算と重なっている。
米政府閉鎖が続いているため、トレーダーは最新の経済指標の発表を得られず、市場に方向性の不確実性が生じている。こうした状況では、過去の政府閉鎖時に市場がどのように反応したかを振り返ることが有益だ。
興味深いことに、2018年12月下旬から2019年1月まで続いた前回の米政府閉鎖は、2018年末から2019年初頭にかけて展開されたビットコイン(BTC)の弱気相場の底打ちプロセスと一致していた。
その展開は次の通りだ。前回の閉鎖は、2018年12月22日から2019年1月25日までの35日間続いた。ビットコインは2018年11月中旬の約6000ドルから12月には3000ドル強まで下落し、これが最終的な投売り局面となった。
12月17日から始まる週にビットコイン価格が最低値を記録して底値となったが、その後力強い回復を見せ、米国政府の再開を受けて2月から4月にかけて7週連続で上昇し、価格は5000ドルを突破した。
ただし、市場の底打ちのタイミングは、前回の政府閉鎖とその後の再開がビットコインの弱気から強気へのトレンド転換に直接影響を与えたことを必ずしも意味するわけではない。さらに、直近の政府閉鎖が始まって以来、ビットコインは1%超下落しており、これはハイテク株中心のナスダック指数が1%下落したウォール街の暴落と一致している。
とはいえ、ビットコインが2018年の類似パターンを踏襲し、新たな上昇局面に入るかは依然として疑問だ。予測は困難だが、最近の過剰レバレッジの清算と米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げへの期待が相まって、新たな上昇局面に向けたより健全な基盤が築かれる可能性はある。

レバレッジのリセット
10月10日金曜日、暗号資産(仮想通貨)史上最大の清算イベントが発生し、ビットコイン、イーサリアム(ETH)、そしてより広範なアルトコイン市場に関連するレバレッジ付き先物取引で総額200億ドル(約3兆200億円、1ドル151円換算)が清算された。
ビットコイン価格はコインベース(Coinbase)で10万7000ドルまで暴落し、他の取引所ではさらに低い水準を記録。10万7000ドルは7月以来の最安値だ。
コインメトリクス(CoinMetrics)はこの出来事を、市場をより健全な状態に導いたストレスイベントと表現した。
「結局のところ、大規模なデレバレッジはシステム的な失敗というよりは、ストレスイベントだった。混乱を招いたものの、過剰なレバレッジを一掃し、市場をより健全な状態に導くのに役立った」とコインメトリクスは週刊ニュースレターで述べた。
金が示す強気シグナル
ビットコインの強気論を支えるもう一つの要因は、インフレヘッジおよび安全資産として広く認識される金の止まらない上昇だ。
金価格は1オンスあたり4200ドルを初めて突破し、年初来で61%、政府閉鎖開始以降では10%上昇。銀、パラジウム、プラチナなどの他の貴金属も急騰している。
データによると、ビットコインは通常、金の上昇に追随し、ビットコイン自体の上昇は金の上昇が失速した後に始まるのが一般的だ。
アナリストのジョー・コンソルティ(Joe Consorti)氏は、ビットコインは通常、金よりも約100日遅れて動くと指摘し、JPモルガン(JPMorgan)のビットコインと金を比較するボラティリティ調整済み公正価値モデルに基づくと、ビットコイン価格が年末までに約16万5000ドルに達することが示唆されている。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:米政府閉鎖以降の資産推移(TradingView)
|原文:Blast From the Past: Previous U.S. Government Shutdown Aligned With Bitcoin’s Bear Market Bottom


