エヌビディア、予想を上回る決算と堅調な見通しで不安定な市場を鎮静化──ビットコインは9万ドル台を回復
  • エヌビディア(NVIDIA)は、堅調な第3四半期決算と第4四半期の見通しを発表した。
  • このニュースにより、一時的に不安定だった市場は落ち着きを取り戻し、ビットコインは8万8000ドル付近から9万ドル台に回復した。
  • エヌビディアが人工知能ブームの中核的存在としての地位を強化したことで、AI関連暗号資産(仮想通貨)トークンも急騰した。

エヌビディアは11月19日の米国市場終了後、予想を上回る決算と堅調な第4四半期見通しを発表した。

AI投資ブームが同社のチップ需要を牽引し続ける中、エヌビディアは第3四半期、ウォール街の予想を上回る570億1000万ドル(約8兆9500億円、1ドル=157円換算)の売上高(前年比62%増)を計上した。

ジェンスン・フアン(Jensen Huang)CEOは、「ブラックウェル(新GPU)の販売は桁外れで、クラウドGPUは完売状態だ」と述べ、「トレーニングと推論の両分野で、演算需要が加速し複合的に拡大しており、それぞれが指数関数的に成長している」と説明した。

当記事執筆時点で、同社株は時間外取引で4%高となっている。

エヌビディアの最大の収益源と言えるデータセンター部門の売上高は512億ドルで、アナリスト予想の493億4000万ドルをわずかに上回った。

極めて重要な見通しについては、エヌビディアは第4四半期の売上高を637億~663億ドルと予測。市場予想の620億ドルを上回る見込みだ。

このニュースは、とりわけ神経質になっていた暗号資産市場を一時的に落ち着かせ、19日に一時8万8000ドル近くまで下落しかけていたビットコイン(BTC)は、9万ドル台を回復した。

AI特化型暗号資産トークンも上昇し、Bittensor(TAO)、ニアプロトコル(NEAR)、インターネットコンピューター(ICP)はすべて、エヌビディアの決算発表後に4~5%上昇した。

今回の決算は、エヌビディアが人工知能サプライチェーンの中核に位置することを裏付けるものだ。同社のGPUは、大規模言語モデルのトレーニング、データセンターの稼働、大手テック企業における機械学習ワークロードの実行に不可欠である。

エヌビディアは米東部時間19日午後5時に、アナリストと投資家向けの電話会議を開催する。投資家たちは、AIインフラ、ソフトウェアツール、次世代チップへの大規模な投資が持続的な収益に結びついていることを確認したいと考えている。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:11月19日のビットコインの値動き(CoinDesk)
|原文:Nvidia Earnings Beat, Strong Outlook Calm Jittery Markets; Bitcoin Re-Takes $90K

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