ジャマイカで始まるデジタル通貨、12月に試験運用

カリブ海の島国、ジャマイカで、デジタル通貨の導入が今年終わりにも始まる。

ジャマイカが2022年に中央銀行デジタル通貨(CBDC)を本格導入する前に、今年12月に試験運用を開始する。ナイジェル・クラーク財務大臣が先週、国家予算審議の中で明らかにした。

新型コロナウイルスのパンデミック後に経済回復を促すためには、デジタル社会とデジタル経済への移行が必要不可欠になる。CBDCを導入することで、銀行サービスを受けることのできない多くの国民に対して、フィナンシャルインクルージョン(金融包摂)をもたらすことができるとクラーク大臣は述べた。

中央銀行が発行するジャマイカのCBDCは、暗号資産ではなく法定通貨であり、ジャマイカドルの現金に変換することも可能だと大臣は加えた。

ジャマイカ中央銀行のリチャード・バイルズ総裁は2月、CBDCの導入が閣議決定されるための準備を進めてきたと発言。クラーク財務大臣は先週、その取り組みに必要なシステムの調達については、閣議決定していると話した。

ジャマイカは昨年初め頃からCBDC構想の検討を開始。5月には、中央銀行がCBDCの研究開発を進めていくとツイッターを通じて発表した。その後、正式にCBDCのシステム提供者を招き入れ、開発と試験運用を本格化させている。

政府発行のデジタル通貨(CBDC)を導入すれば、個人や事業者がコストをかけずに決済や価値の保存を行うことができる。スマートフォンを使って消費者が直接つながり、ビジネス機会は増えていく(クラーク大臣)。

|編集:佐藤茂
|画像:Shutterstock
|原文:Jamaica to Pilot CBDC Later This Year