米トレーディングカードのTopps、「空箱上場」でNFT事業を拡大へ──日本進出も計画

米トレーディングカードのTopps、「空箱上場」でNFT事業を拡大へ──日本進出も計画

今年3月に日本市場への進出を発表した米トレーディングカードのトップス(Topps)が、米国で急増している「空箱上場」を通じて、NFT(ノンファンジブル・トークン)事業を拡大する。

創業80年のトップスは、特別買収目的会社(SPAC)のマドリック・キャピタル(Mudrick Capital)と経営統合した後に株式上場を行う。トップスは長年、ベースボールカードなどのコレクション品を販売してきたが、同社の新たな投資家となったジェイソン・マドリック氏は6日、デジタル分野への投資を加速させると語った。狙いは、世界的に人気が高まるNFT市場だ。

米国では、企業買収を目的とする「空箱上場」が急増している。SPACは、成長性の高い企業と合併し、株式上場を比較的に短期間で進める。

NFT市場が急成長するなか、今回の交渉に合意したトップスは投資家に対する説明会で「成長を加速させる」戦略として、ブロックチェーンとNFTに投資していくと述べた。

トップスはブロックチェーンを活用して多くのコンテンツを提供し、ワックス(Wax)やオープンシー(OpenSea)などのNFTのマーケットプレイスにおいてNFTの流通量を拡大させる。

「NFT事業が占めるトップスの収益は現在、6%程度。マドリック氏はデジタル分野を拡大させていくだろう」と、米投資会社グッゲンハイム(Guggenheim)のジョエル・ベルファー(Joel Belfer)氏は述べる。

トップスの2020年の売上高は5億6700万ドル(約623億円)。ダッパーラボ(Dapper Labs)のNFTトレーディングカードゲーム「NBA Top Shot」は、開始から10カ月で5億ドル(約550億円)を超える売り上げを計上している。

トップスの投資家向け資料
出典:MudrickのSEC提出資料より

老舗企業がデジタル化

トップスはNFTブームの初期の頃、ワックスと連携してNFTトレーディングカード「Garabage Pail Kids」をスタートさせた。最近では「ゴジラ」をテーマにしたNFTカードを販売し、数時間で少なくとも50万ドルを売り上げた。

マドリック氏は、トップスがNFTの流通市場から収益をあげることを期待していると「Institutional Investor」に語った。NFTは、取引をプライベート・ブロックチェーン上に限定することができるため、流通市場での取引から手数料を得ることが可能だ。

ダッパーラボも同様のビジネスモデルを採用し、流通市場でのNFTの取引から5%の手数料を得ている。また同社は「フロー(Flow)」というブロックチェーン上でNFTを展開している。

一方、競合となる他のNFTマーケットプレイスの多くは、手数料が高騰しているイーサリアムブロックチェーン上でビジネスを展開しているため、コスト負担に悩まされている。

NFTで先行投資を進める北米企業

現実世界では、新型コロナウイルスの感染が続いてるにもかかわらず、コレクターはトレーディングカードに数十万ドルものお金を注ぎ込んでいる。

デジタルコレクションの取引量をブロックチェーンを活用した流通市場で増加させることで、トップスは新たな収益源を獲得する可能性がある。ダッパーラボは先日、事業拡大を進めるため、新たに3億500万ドルの資金を調達した。

トップスの経営幹部は投資家に対して、同社は10年以上にわたりデジタル分野に投資してきていると説明した。MLB(メジャーリーグベースボール)が認可している「Topps BUNT」のようなデジタルコレクション・プラットフォームは、その一例だ。

野球ファンの間でこうしたプラットフォームがどれほどの人気を集めているかはわからない。一方、NBA Top Shotが扱うNFTの価値は、「Evaluate.market」のようなブロックチェーンデータサイトがリアルタイムで追跡している。

MLB、NFLとの契約が課題か

トップスがブロックチェーンやNFTに参入して、ちょうど1年になる。

「この分野のリーディングカンパニーになるには、相当の注意深さと投資が必要だが、幸先のよいスタートを切ったと考えている」とトップスのアンディ・レッドマン会長はコメントした。ブロックチェーンへの取り組みは、eコマースにおける同社の取り組みと相性がよく、「将来のスポーツ・エコシステムにおける当社の地位をさらに確かなものにする」とレッドマン会長は述べた。

一方、トップスとMLBやNFL(プロアメリカンフットボールリーグ)との間で取り決められている物理的なカードのライセンスを、単純にNFTに引き継ぐことは難しいとの見方も聞かれる。一部のアナリストは、ダッパーラボがNBAと行ったように、トップスはデジタル分野での新たな契約を提携する必要があると予想している。

|翻訳:山口晶子
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:トップスのトレーディングカード(Shutterstock)
|原文:Topps, Going Public at $1.3B Valuation, Charts NFT Future

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