ビットコインの上昇、7カ月連続なるか──2Qは歴史的には追い風【Krakenリサーチ】

ビットコインの上昇、7カ月連続なるか──2Qは歴史的には追い風【Krakenリサーチ】

NFT(ノンファンジブル・トークン)の影に隠れがちだった3月のビットコインだが、結局30%のプラスで取引を終了し、6カ月連続でプラスを維持した。

4月はビットコインの歴史の中でも2番目にパフォーマンスが良い月だ。歴代4月のビットコイン上昇率の中央値である39.5%を現在の価格に当てはめると、7月1日時点で8万2000ドルに到達する計算になる。

仮に4月もプラスのリターンで終えれば、7カ月連続のプラスリターンというビットコイン史上の最長記録に並ぶ。

本稿では3月のビットコイン相場を主要ニュースで振り返り、ビットコインと「リスクオフ」資産の相関関係と過去の統計を基に第2四半期(4-6月期)の見立てを解説する。

ニュースで振り返る3月相場

(出典:Kraken Intelligence 「3月のビットコイン/米ドルと主なニュース」)

A:3月1日──マイクロストラテジーが1500万ドル相当のビットコインを購入。楽天が仮想通貨を電子マネーに交換できるサービスを開始。CBOEがヴァンエックのビットコインETFをSECに申請。ゴールドマンサックスが仮想通貨トレーディングデスクを開始すると報道。

B:3月5日──マイクロストラテジーが1000万ドル相当のビットコインを購入。

C:3月6日──米議会上院が1.9兆ドルに上るバイデン政権のコロナ救済策を可決。

D:3月7日──香港証券取引所に上場する美容系自撮りアプリのMeituが、2210万ドル相当のイーサリアムと1790万ドル相当のビットコインを購入。

E:3月8日──ロンドン証券取引所上場の仮想通貨マイニング企業Argo Blockchainがテキサス州でビットコインマイニング用に約1.3キロ平方メートルの土地を新たに購入。ペイパルがデジタル資産セキュリティ企業Curvを買収

F:3月9日──JPモルガン・チェースが暗号資産関連企業に投資するファンドの組成を検討。ノルウェーの石油王Kjell Rokeeが5800万ドル相当のビットコインを購入

G:3月10日──デジタルカレンシーグループが、グレイスケール・インベストメンツが運用するビットコイン信託に2500万ドルを投資すると発表。取引所のビットコイン保有率が37ヵ月ぶりの低水準となる。米議会下院が1.9兆ドルに上るバイデン政権のコロナ救済策を可決。

H:3月11日──WisdomTreeがビットコインETFをSECに申請。暗号資産マネジメントのCoinSharesがスウェーデンで上場。

I:3月12日──マイクロストラテジーが1500万ドル相当のビットコインを購入。米CFTCがバイナンスを調査。

J:3月17日──FRBがインフレ見通しを更新。Meituが追加で合計4900万ドル分のイーサリアムとビットコインを購入。モルガン・スタンレーが富裕層向けにビットコイン商品を提供へ。オークツリー・キャピタル・マネジメント創業者Howard Marksがビットコイン肯定派に。

K:3月19日──ブラジルが南米で初めてビットコインETFを承認。FATFが仮想通貨マネロン規制に関するパブコメの募集を開始

L:3月22日──FRBパウエル議長が、ビットコインは米ドルというより金の代替と発言。

M:3月24日──テスラがビットコイン支払いの受付を開始。フィデリティがビットコインETFを申請。ゴールドマン・サックスがビットコイン関連商品をSECに申請。

N:3月25日──CBOEがビットコイン先物を再開する可能性に言及。ニュージーランドの年金基金が5%の資産をビットコインに割り当て。

O:3月29日──VisaがステーブルコインのUSDCを決済に利用する計画を発表。

P:3月30日──ペイパルが仮想通貨を使って買い物ができる新機能を発表。米ドルに連動するステーブルコイン「テザー」は、十分な資金の裏付けの基にを発行していると記された報告書が発表される。ダッパー・ラボが3億5000万ドルの資金調達。

ビットコインと「リスクオフ資産」の相関関係

(出典:Kraken Intelligence「ビットコイン/米ドルとリスクオフ資産の相関関係(90日間ロールイング)」)

3月、ビットコインと米ドルの相関関係は1年ぶりの高水準まで高まった。米国経済成長への見通しが改善したほか、景気刺激策に誘発された金利上昇が背景にあるとみられる。今後、米景気回復への期待が薄れ、長く続く株価急反騰の勢いに陰りが出てくるようだと、ビットコインにとっては短期的な向かい風になるかもしれない。

一方、金(ゴールド)は2021年第1四半期に10%下落し、39年で最悪の成績だった。ビットコインは103%のプラスだったことから、双方の相関関係はマイナス0.83と52ヵ月ぶりの水準となった。「デジタルゴールド」と「ゴールド」の明暗が分かれている。

歴代第2四半期の成績:BTC VS. ETH

(出典:Kraken Intelligence「歴代のビットコイン第2四半期」)

第2四半期(4-6月期)のビットコインは、2018年を除けば、毎年ポジティブなリターンを記録してきた。歴史的なリターンの平均値は256%で、現在のビットコイン価格から単純計算すると、ビットコインは7月1日時点で20万9000ドルに到達することになる。

一方、第2四半期リターンの中央値である39.5%を考慮すると、ビットコインは7月1日時点で8万2000ドルに到達することになる。

(出典:Kraken Intelligence「歴代のイーサリアム第2四半期」)

同様にイーサリアムも歴史的に第2四半期のパフォーマンスは良い。上記と同様に、イーサリアムの第2四半期平均リターンを使うと7月1日時点で4643ドル、中央値を使うと3281ドルという計算になる。


千野剛司:クラーケン・ジャパン(Kraken Japan)– 代表慶應義塾大学卒業後、2006年東京証券取引所に入社。2008年の金融危機以降、債務不履行管理プロセスの改良プロジェクトに参画し、日本取引所グループの清算決済分野の経営企画を担当。2016年よりPwC JapanのCEO Officeにて、リーダーシップチームの戦略的な議論をサポート。2018年に暗号資産取引所「Kraken」を運営するPayward, Inc.(米国)に入社。2020年3月より現職。オックスフォード大学経営学修士(MBA)修了。

※本稿において意見に係る部分は筆者の個人的見解であり、所属組織の見解を示すものではありません。


編集:佐藤茂
トップ画像:Shutterstock

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