ビットコインの上昇、2019年の強気相場復活と酷似

ビットコイン(BTC)は、価格が約250%急上昇した2019年半ばの強気相場の復活と最近の上昇局面がよく似ており、歴史が指針となるならば、今後大きく上昇する可能性がある。

米CoinDeskのデータによると、時価総額で第1位の暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは今月、約40%急騰して2万3000ドル(約298万円)に達した。この上昇は、価格を68%も引き下げた2022年の急落に続き、弱気相場の中で1万8000ドル(約234万円)前後で長く低迷した後、暗号資産(仮想通貨)を含むリスク資産を動揺させたアメリカ連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが終わりに近づいている時に起こった。

この状況は、2019年第2四半期にビットコインが強気相場で復活する前の状況によく似ている。当時はその後、FRBの引き締めがピークを過ぎたため、BTCの価格は247%急騰し、1万3800ドル(約180万円)に達した。

マクロトレーダーのジオ・チェン(Geo Chen)氏は、人気のSubstackベースのニュースレター「Fidenza Macro」の1月20日号で、「2019年の上昇に先立つ4カ月間、BTCは安値付近の狭いレンジで取り引きされ、ショートが優位に立つ一方で、強気の買いが蓄積した」と述べ、2019年の価格急上昇と2023年の共通点を指摘した。

「2019年の上昇は、成長とインフレが減速するゴルディロックス経済と重なり、FRBが金融引き締めのペダルから足を離す原因となった」

FRBの前回の引き締めサイクルは、2015年12月から2018年12月までの3年間で、基準金利を2.25%から2.5%の範囲まで引き上げた。2022年には、FRBは基準金利を0%から4.25%に引き上げた。2月と3月に利上げペースが0.25%に減速し、その後は利上げを一時停止すると市場は予想しており、先行指標では消費者物価の上昇と経済活動の著しい鈍化が予想されている。

ビットコインの最近の値動きは、4年前に見られた弱気から強気へのトレンドの変化を思い起こさせる。(CoinDesk/TradingView)

2022年7月以降のビットコインの値動きは、2018年11月下旬から2019年4月上旬に見られた動きと不気味なほど似ているように見える。

2022年11月に見られた売り手の疲弊とその後の上昇への転換は、マイニング報酬の「半減期」の17カ月前に底を打つというこれまでの記録と一致する。「半減期」とは、供給のペースを減らすために4年ごとにマイニング報酬を50%にするプログラムで、次回は2024年3月か4月に発生すると予想されている。

すべてを考慮すると、ビットコインの進む道は値上がりする方向にあるように見える。それでもチェン氏はビットコインよりも、時価総額で2番目の暗号資産であるイーサリアム(ETH)を好んでいる。

「私は、弱気市場のために『マージ』によってETHがBTCをアウトパフォームするということが実現されていないと考えている」とチェン氏は指摘する。

「また、私はWeb3とDeFiが暗号資産エコシステムの成長と革新の最大の源であり続けると信じている。そして、Web3とDeFiの大部分はベースとしてイーサリアムを使用する。BTCはETHと比較してベータ値の低いのセーフヘイブン通貨(変動が大きく不安定な市場の中でも比較的安全な通貨)であり続けるだろう」

チェン氏はETHのロングポジションを取っており、ETHが今後3カ月で3400ドル(約44万円)上昇すると予想している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CoinDesk/TradingView
|原文:Bitcoin’s Upswing Is Reminiscent of 2019 Bull Revival