イーサリアムのガスリミットとは──混雑解消に向け1500万に引き上げ

イーサリアムのガスリミットとは──混雑解消に向け1500万に引き上げ

イーサリアム(ETH)マイナーはトランザクションの混雑を緩和するために、ガスリミット(Gas Limit:取引で消費されるガス代=取引手数料の上限)を初めて、約1500万まで引き上げた。

ガスリミットは、各ブロックに含めることのできる操作の上限を設定するものだ。イーサリアムの生みの親、ヴィタリック・ブテリン氏は先週、米掲示板レディット(Reddit)でガスリミットの引き上げを提案。従来は1250万だった。

「(イーサリアム)ブロックチェーンがより安全になった今、ガスリミットをあげることができる。それによりコストはより安価になる」(ブテリン氏)

ガスリミットの推移
出典:etherscan.io

「ガス代」とは何か?

ソフトウェア開発者のケビン・ジークマン(Kevin Ziechmann)氏は、イーサリアム財団のブログで、ガス代を次のように説明した。

「ガス代は、イーサリアムブロックチェーン上で特定の操作を実行するために必要な演算量を測る単位。(中略)ガス代の単位はGweiで、1Gweiは0.000000001イーサリアム(10⁻⁹イーサリアム)」

そしてガスリミットは、マイナーが1ブロックを処理するために必要なデータ量と演算量を制限するもの。ガス代はユーザーが設定するもので、ガス代を高く設定したり、低く設定したりできる。

マイナーは獲得できる報酬を最大化するために、ガス代の高いトランザクションや演算を優先的に処理する。

イーサリアムブロックチェーン上の動きが活発になるにつれ、イーサリアムのガス代は高騰している。トランザクションのタイプに応じて、手数料は数ドルから数百ドル相当まで広がっている。

イーサリアムの平均取引手数料
出典:Coin Metrics

ガスリミットを引き上げることで、各ブロックにより多くのデータを含めることができるようになる。例えば、イーサリアム(ETH)のピア・ツー・ピアのやり取りや、新しいスマートコントラクトの作成、ファンジブルあるいはノンファンジブル・トークンの交換など、さまざまな作業が含まれる。

簡単に言えば、ガスリミットを増やすことで、1回の作業で行えることを増やすことで効率化をはかり、トータルとしてネットワークの混雑と取引手数料の高騰を解消しようというわけだ。

イーサリアムマイナーがより高いガスリミットを望む理由

イーサリアムのガスリミット引き上げには、リスクが潜んでいる。より大きなブロックを処理し、取り引きを完了させるにはマイナー側でより多くのエネルギーが必要となる。だからこそ、ガスリミットの引き上げ幅には上限が定められている。

「イーサリアムブロックチェーンの機能として、マイナーはブロックのガスリミットをその前のガスリミットから0.0976%しか上げることができない。マイナーがガスリミットが低すぎる、あるいは高すぎると合意した場合は、ガスリミットを徐々に上げ下げすることができる」と米CoinDeskのクリスティーン・キム(Christine Kim)は調査レポートに書いている。

直近のハードフォーク終了後、大手マイニングプールはガスリミットを1250万から1500万に引き上げる意思を示していた。

4月20日、ハッシュレート(演算能力)で2番目に大きいイーサリアムのマイニングプールを運営するビットフライ(Bitfly)は次のようにツイートした。

「ハードフォーク『ベルリン』による効率性の改善を受けて、イーサリアムのガスリミットを1250万から1500万へと引き上げることは安全だと考えている」

マイナーがネットワーク手数料高騰の一時的な解決策として、ガスリミットの引き上げを決定したのは7回目のことだ。

|翻訳:山口晶子
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Nikola Johhny Mirkovic/Unsplash
|原文:Ethereum Gas Limit Hits 15M as ETH Price Soars

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