10分で分かるDeFiの仕組み──知っておくべき8つのキーワード

10分で分かるDeFiの仕組み──知っておくべき8つのキーワード

DeFi(decentralized finance:分散型金融)とは?

DeFiとは、金融仲介をディスラプトすることを目的にブロックチェーン上に構築された金融アプリケーションを表す用語だ。主にイーサリアムブロックチェーン上にスマートコントラクト技術を活用して構築されている。

DeFiは、ビットコインを支えるテクノロジーであるブロックチェーンからインスピレーションを受け、取引履歴のコピーを複数の人や組織が保有できるため、中央集権的に管理することはしない。

中央集権型システムや人間の管理者は、取引のスピードや進化を制限してしまう可能性があり、一方のユーザーは自身のお金を直接管理できなくなる可能性があるためだ。

DeFiに注目すべき理由は、ブロックチェーンの用途を単なる価値の移動から、金融での複雑な用途に拡大することにある。

ビットコインとその他の多くのデジタル資産は、取引からすべての仲介業者を排除する点で、VISAやペイパル(PayPal)が運用しているような旧来のデジタル決済とは違う。

カフェでコーヒー代をクレジットカードで支払うと、取引を管理する力を持つ金融機関があなたとカフェの間に入り、取引を自社の台帳に記録し、ときには取引を停止・中断したりする。ビットコインなら、そうした金融機関が不要となる。

大企業が監視する取引や契約は、物やサービスの購入だけではない。ローン、保険、クラウドファンディング、デリバティブ、賭けなどの金融アプリケーションも大企業が管理している。あらゆる種類の取引から仲介業者を排除することは、DeFiの大きなメリットの1つだ。

DeFi(分散型金融)は過去に「オープンファイナンス」と呼ばれることもあった。

イーサリアム・アプリケーション

「DeFi」と呼ばれるほとんどのアプリケーションは、イーサリアムブロックチェーン上に構築されている。イーサリアムは単なる取引だけでなく、他のタイプの分散型アプリケーションを開発しやすい点でビットコインとは違う。

こうした金融における複雑な用途は2013年、イーサリアムの元々のホワイトペーパーの中でイーサリアムの生みの親であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が強調していた。

スマートコントラクトを実現するイーサリアムは、大きな柔軟性を提供している。スマートコントラクトは、特定の条件に合致した時に、自動的に取引を実行するものだ。

ソリディティ(Solidity)などのイーサリアム・プログラミング言語は、そうしたスマートコントラクトの作成、展開に特化している。

例えば、ユーザーは次の火曜日に友人にお金を送金したいとする。ただし、weather.comによって気温が32℃を超えた場合のみだ。こうしたルールをスマートコントラクトに記述することができる。

スマートコントラクトを核として、数十のDeFiアプリケーションがイーサリアム上で運用されている。イーサリアムブロックチェーンの大規模アップグレード「イーサリアム2.0」は、イーサリアムが抱えるスケーラビリティ問題に段階的に対処することで、DeFiアプリケーションのさらなる成長を実現する可能性がある。

人気のDeFiアプリケーションとは

■分散型取引所(DEX)

暗号資産取引所では、ユーザーはドルをビットコインに、イーサリアムをDAIになどに交換できる。DEXはユーザーを直接つなげ、ユーザー同士が暗号資産を取引できるのがDEXだ。仲介業者を信頼してお金を委ねる必要はない。

レンディング(貸付)プラットフォーム

スマートコントラクトを使うことで、レンディング(貸付)を管理する銀行などの仲介業者を排除したプラットフォーム。

Wrapped Bitcoin(WBTC)

ビットコイン(BTC)に裏付けられたERC-20トークン(ERC-20規格に準拠し、イーサリアムブロックチェーンで発行される暗号資産)。イーサリアム上のDeFiアプリケーションでビットコイン(BTC)を使うための代表的手法となっている。

例えば、ユーザーは前述のレンディングプラットフォームにWBTCを貸し出し、借り手が支払う利子の一部を手にすることができる。

予測市場

選挙など、将来の出来事の結果に賭けるための市場。予測市場のDeFiバージョンの目的は、仲介なしに同じ機能を提供することだ。

新しいコンセプトも登場

こうしたアプリケーションに加えて、DeFiの新しいコンセプトも登場した。

イールドファーミング

レンディングプラットフォームに暗号資産を提供し、利回りを得ることなどをはじめ、さまざまなDeFiアプリケーションを組み合わせて資金を運用すること。

流動性マイニング

DeFiアプリケーションがユーザーに無料のトークンを提供することで、ユーザーを惹きつけること。ユーザーから見れば、アプリケーションの人気が上がれば、トークンの値上がりが期待できる。

イールドファーミングの一種であり、いま最も人気を集めている形態。

コンポーザビリティ(構成可能性)

DeFiアプリケーションはオープンソース、つまりプログラムは公開されており、誰でも閲覧できる。そのため、これらのアプリケーションは、新しいアプリケーションを構築する際に、部品(構成要素)として利用することができる。

マネー・レゴ

「コンポーザビリティ(構成可能性)」のコンセプトを別の方法で表現すると、DeFiアプリケーションはレゴ(LEGO)──子供が建物や乗り物などを作って遊ぶブロック──に似ている。DeFiアプリケーションは新しい金融商品を開発するために、あたかも「マネー・レゴ」のように簡単に連結させることができる。

マネーレゴ

レンディング(貸付)プラットフォーム

レンディング(貸付)市場は、暗号資産の借り手と貸し手をつなげるもので、DeFiの人気形態の一つだ。

その中でも人気のプラットフォーム「コンパウンド(Compound)」では、ユーザーは暗号資産を借りたり、自らローンを提供することができる。ユーザーは自分の暗号資金を貸し付けて利子を得ることができる。コンパウンドでは金利がアルゴリズムによって設定され、暗号資産を借りたいという需要が高くなれば、金利も高くなる。

DeFiレンディングは担保ベースで、つまりローン(融資)を受けるにはユーザーは担保を用意しなければならない。担保は多くの場合、イーサリアム(ETH)だ。

つまり、通常の(DeFiではない)ローンでは必要な個人情報やクレジットスコア(信用情報)を提出する必要はない。

予測市場

最も古いDeFiアプリケーションの一つは、いわゆる「予測市場」だ。「トランプ大統領は2020年の選挙で再選されるか?」など、ユーザーが将来の出来事に対してベットを行う。

参加者の狙いはもちろん、お金を稼ぐことだが、予測市場はときにアンケート調査などの従来の方法よりも予測結果が優れている。

イントレード(Intrade)やプレディクティット(PredictIt)などの中央集権型予測市場は、優れた結果を残してきた。しかし、予測市場は伝統的に政府から嫌われ、閉鎖されることもあった。DeFiは予測市場の可能性を広げるかもしれない。

Q&A

どうやってお金を稼ぐ?

DeFiプラットフォームに預け入れられている資産は急増しており、多くのユーザーが多額の利益をあげていると伝えられている。

ユーザーは、レンディングプラットフォームに自分の暗号資産を貸し付け、ローン(融資)から利子を獲得することで受動的所得を得ることができる。

前述したイールドファーミングは、より大きな利益を生む可能性を秘めているが、リスクも大きい。イーサリアムでは、レンディングプラットフォームを組み合わせて利用するなどで、最大限の利益をあげることを狙う。しかし、複雑になりがちで、しばしば透明性を欠くことになる。

DeFiへの投資は安全?

答えはノーだ。リスクは高い。多くの人は、DeFiは金融の未来であり、創造的破壊をもたらすテクノロジーに早い段階で投資することは大きな利益をもたらす可能性があると信じている。

しかし、新参者が良いプロジェクトと悪いプロジェクトを見分けることは困難だ。そして悪いプロジェクトは数多く存在する。

2020年、DeFiが活況となり、人気が増すなかで、時価総額がわずか35分で6000万ドルから0になったミームコインのヤム(YAM)など、多くのDeFiアプリケーションが失敗に終わっている。

ホットドッグ(Hotdog)やピザ(Pizza)をはじめとする、他のDeFiプロジェクトも同じ運命をたどり、多くの投資家が多額の損失を被った。

さらに、DeFiのバグも残念ながらまだきわめて一般的だ。スマートコントラクトはパワフルだが、ルールが一度プロトコルに設定されると変更は不可能で、バグはしばしば永久的なものとなり、リスクを高めてしまう。

DeFiはいつ主流になる?

ますます多くの人がDeFiアプリケーションに引きつけられているが、今後を予測することは難しい。その多くは、誰が、どのような理由でDeFiアプリケーションを有用と考えるかに左右される。

多くの人は、DeFiには次のロビンフッド(アメリカで人気の株取引アプリ)になる可能性があると考えている。金融アプリケーションをより包括的なものとし、これまで使ったことがなかった人たちを取り込むことで、多くの新しいユーザーを引き込むことができるだろう。

DeFiは新しく、実験的で、特にセキュリティやスケーラビリティの面で問題がないわけではない。もちろん開発者は、こうした問題を最終的には解決したいと望んでいる。

イーサリアム2.0のDeFiへの影響は?

大幅なアップデートとなる「イーサリアム2.0」はDeFiが抱えるすべての問題を解決する万能薬ではないが、出発点だ。さまざまなソリューションがイーサリアムのスケーラビリティ問題に取り組んでいる。

これらのソリューションがうまく進めば、DeFiの実験的な取り組みは本物の製品となり、主流になる可能性さえある。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:Shutterstock
原文:What Is DeFi?

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