“ドージコイン現象”がイーサリアム手数料を押し上げる

「ドージコイン現象」でイーサリアムの取引手数料が高騰している。

BitInfoChartsとBlockchairのデータによると、イーサリアムの平均取引手数料は現在64ドル。イーサリアム規格に準拠したERC-20トークンであり、「ドージキラー」の異名を持つトークン「SHIB」などの模倣コインの需要の伸びが、手数料を押し上げている。

「この馬鹿げたSHIBトークンと、それを上場した取引所は、悪い前例を作ってしまった。こうした新しい模倣トークンは、まさに文字どおりイーサリアムの取引手数料を奪い合っている。この高騰した取引手数料を見てほしい。ミームトークンが原因だ」

イーサリアムの取引手数料は「ガス代(gas)」と呼ばれ、取引の種類によって異なっている。例えば、単純な送金は計算量が少ないため、取引手数料は安価なもので済むが、イーサリアムをWBTC(ラップドビットコイン)に替える取引には、より多くのコストがかかる。

SHIBは昨年の登場以来、関心が高まっているが、ドージコイン(DOGE)の成功を踏襲するのではないかとの憶測が聞かれる。バイナンスやオーケーエックス(OKEx)、フォビ(Huobi)への上場をきっかけに、SHIBは30日間で36,750%上昇した。

ドージコインとSHIBの成功を受けて、最近では他にも模倣コインが登場している。

こうしたトークンのほとんどは、イーサリアムブロックチェーンと互換性を持つ「ERC-20」規格で作られている。ECR-20は2017年にICO(新規コイン公開)が急増するきっかけとなった、イーサリアムブロックチェーンで最も人気の高いトークン規格だ。

2020年と2021年はじめは、DeFi(分散型金融)プラットフォームの利用が拡大し、イーサリアムの取引手数料がしばしば急上昇した。だが今回の新たな上昇圧力は、DeFiの利用から生じているのではなく、多くは犬に関連したコインに投機しているトレーダーが原因となっているようだ。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
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|原文:DOGE Imitators Help Send Ethereum Transaction Fees to All-Time Highs