バイナンス、株式トークンの販売終了──開始からわずか3カ月

暗号資産(仮想通貨)取引大手のバイナンス(Binance)は16日、株式トークンの販売を終了すると発表した。サービス開始から、わずか3カ月しか経っていない。

トークンの販売は即座に、サポートは10月14日に終了、10月15日にはすべてのポジションが決済される。バイナンスはこれにより、他の商品に注力できるとしている。

バイナンスは4月にバイナンス・ストック・トークン(Binance Stock Tokens)の提供を開始。ユーザーは株式を100分の1から購入できるようになった。まずテスラの株式から始まり、その後、コインベース、マイクロストラテジー、マイクロソフト、アップルの株式が加わった。

だが直後にイギリス、ドイツの金融当局が懸念を表明するなど、規制当局は警戒を強めた。

バイナンスに対する警戒はこの数週間でさらに高まり、イギリスや日本をはじめ、各国の規制当局はバイナンスは認可を受けたサービスを提供するためのライセンスを取得していないと警告。直近では16日、香港の規制当局がバイナンスは香港での事業に必要な登録を行っていないと発表した。

バイナンスCEOのCZことチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏は7日発表した公開書簡で同取引所の苦境を訴え、コンプライアンスを「旅」にたとえ、暗号資産の普及に対応した「より明確な規制の枠組み」の必要性を語った。

デジタル証券を購入した欧州経済領域(EEA)とスイスのユーザーは、デジタル証券を手がけるベンチャー企業でバイナンスと連携したドイツの投資会社、CM-Equity AGが構築した新しいプラットフォームに移行できる。

新しいプラットフォームは10月のサポート終了の数週間前にオープンする予定だ。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:バイナンスのチャンポン・ジャオCEO(CoinDesk archives)
|原文:Binance to End Support for Stock Tokens