発電所、マイニング機器──北米で大規模投資が進むビットコインマイニング

再生可能エネルギーによるビットコイン(BTC)マイニングを手がけるストロングホールド・デジタル・マイニング(Stronghold Digital Mining)は、ペンシルベニア州で2つ目の発電所を購入、さらに3つ目の施設を取得するために「現在交渉中」と発表した。

パンサー・クリーク(Panther Creek)発電所と呼ばれる2つ目の発電所は、最大80メガワットの発電能力を持ち、同社の発電能力は165メガワットとほぼ倍増する。

同社CEOのグレッグ・ビアード(Greg Beard)氏は「業界で最も安価なコスト」でビットコイン(BTC)をマイニングすると同時に、環境に貢献できることを望んでいる。

「ペンシルベニアでは石炭廃棄物置き場が依然として大きな問題となっている。我々はこれらの広大な敷地の修復を続け、土地を地元コミュニティに返還するための超党派の政治的支援を大いに歓迎している」(同社プレスリリース)

ストロングホールドは6月、1億500万ドル(約116億円)を調達し、同州に最初の施設を開設。7月27日には米証券取引委員会(SEC)に1億ドル規模の新規株式公開(IPO)を申請した。

関連記事:再生可能エネルギーでマイニング、米企業がIPO申請

同社は石炭を採掘した後に残る廃棄物を使って発電し、ビットコインマイニングを行う。同社の試算によると、1BTCをマイニングするごとに、石炭廃棄物200トンを処理できるという。

マイニング機器購入に133億円

アメリカでは、ビットコインマイニングへの投資が盛んになっている。

マラソン・デジタル・ホールディングス(Marathon Digital Holdings)は2日、マイニング機器メーカーのビットメイン(Bitmain)からマイニング機器Antminer S19J Proを3万台、1億2070万ドル(約133億円)で購入すると発表した。

ラスベガスに本社を置く同社は、中国のマイニング事業者が当局からの規制を受けて事業を縮小しているなか、北米でのビットコインマイニングへの投資を推進している企業のひとつだ。

同様に、ハイブ・ブロックチェーン(Hive Blockchain社)は3日、カナン・クリエイティブ(Canaan Creative:嘉楠耘智信息科技)からビットコインマイニング機器を4000台購入すると発表、価格は公表されていない。今年はじめには6400台を購入している。

同社は、カナダ、スウェーデン、アイスランドにマイニング施設を持ち、米ナスダック、カナダのトロント証券取引所、ドイツのフランクフルト証券取引所に上場している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:ストロングホールド・デジタル・マイニングの2つ目の発電所(Stronghold Digital Mining)
|原文:Stronghold Digital Mining Acquires Second Power Plant