ビットコイン、発行上限の90%に到達──残り210万ビットコインを切る

ビットコイン(BTC)は12月13日朝、供給量が発行上限の90%に達した(Blockchain.comのデータによる)。発行上現となる2100万ビットコインのうち、1889万ビットコインが市場に供給されていることになる。

2009年1月9日に最初のビットコインがマイニングされてから約12年。だが半減期やハッシュレート(ネットワークの演算能力)などを考えると、残り10%がマイニングされるのは2140年2月頃と予想されている。

370万ビットコインは「失われた」

供給量の増加とともにビットコイン価格は上昇してきた。2010年はじめ、発行上限の10%がマイニングされた時、ビットコイン価格は0.10ドルに満たなかった。2012年12月に50%がマイニングされた時は7.50ドルを超えていた。

当記事執筆時点ではCoinGeckoのデータによると、4万9000ドル以上で取引され、今年はじめの史上最高値6万9000ドル付近から28%下落している。

ビットコインは取引をプルーフ・オブ・ワーク(PoW)と呼ばれる仕組みで処理しており、「マイナー」と呼ばれるネットワーク参加者に依存している。マイナーが継続的に取引を処理し、検証するプロセスが、いわゆる「マイニング」だ。

マイナーは、演算能力とハードウェアを提供して、ビットコインブロックチェーン上で毎秒数百万の複雑な計算を行い、「報酬」としてビットコインを受け取る。マイナーは現在、マイニング報酬として1ブロックあたり6.25ビットコインを受け取っているが、次の半減期の2024年には3.125ビットコインに半減する。

発行上限は2100万ビットコインだが、すべてが市場に出回るわけではないと考えられている。暗号資産分析会社チェイナリシス(Chainalysis)は370万ビットコインが「失われた」と推定している。理由は、秘密鍵の紛失や保有者の死亡など多岐にわたる。また、ビットコインの生みの親サトシ・ナカモト氏が保有する100万ビットコインは、サトシ・ナカモトがビットコインの黎明期にマイニングして以来、手つかずの状態になっている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Touches New Milestone With 90% of Total Supply Mined