ブロック報酬とは?【GWに考える暗号資産の基本】

ブロック報酬(block reward)は、ブロックチェーンでのトランザクションの検証に協力したユーザーに割り当てられるデジタルトークンのこと。新しく発行されたデジタルトークンの一部が割り当てられる。

取引を検証するユーザーは総称して「バリデーター」と呼ばれるが、ブロックチェーンが使用するコンセンサス(合意)メカニズムによって、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)の場合は「マイナー」、プルーフ・オブ・ステークの場合は「ステーカー」と呼ばれることもある。

ブロック報酬の目的は?

ブロックチェーンは、ネットワークの安全を確保し、確実に運用し続けるために、ネットワーク上に分散して存在しているボランティア・ユーザーに新しいブロックを発見する(PoWの場合は、マイニングする)ためのインセンティブを提供する必要がある。ビットコイン(BTC)などの暗号資産(仮想通貨)は中央管理者が監視していないため、ブロック報酬は人々をネットワークに参加させるための大きな金銭的インセンティブとして機能する。

また、前述したように、ブロック報酬は新しく発行された暗号資産を流通させるための発行システムとしての役割も果たしている。ブロック報酬は、新しいブロックを発見(マイナーの場合)あるいは提案(ステーカーの場合)して、成功したバリデーターに与えられる。報酬は固定で、毎回同じ数のトークンが与えられることもあれば、時間の経過とともに徐々に減少するものもある。

ビットコインはおよそ4年ごと(21万ブロックごと)に、ブロック報酬が「半減」する。2020年5月の直近の半減期以降、マイナーは通常約10分かかるブロックの発見(マイニング)ごとに、6.25ビットコインを受け取っている。

こうした詳細は、ブロックチェーンごとに異なる。

ビットコインのブロック報酬は、2009年の誕生以来、3回半減しており、発行上限の2100万ビットコインに達するまで定期的に半減し続ける。発行上限を迎えた後は、ブロック報酬はなくなり、ビットコインが新たにマイニングされることはなくなる。

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ブロック報酬と取引手数料

また、ブロック報酬と取引手数料の違いも重要だ。例えば、ビットコインのマイナーは、ブロック報酬と取引手数料の両方を受け取る。この2つは別のものであり、ビットコインが発行上限に達した後は、マイナーは取引手数料のみに依存することになる。

最後に、ブロック報酬は必ずしもブロックチェーン上で取引されているトークンと同じものとは限らない。代表的な例は、ステーブルコイン。ステーブルコインは供給量を慎重にコントロールしている。そのため、マイナーに別の暗号資産で報酬を与えることが多い。例えば、テラ(Terra)ブロックチェーンは、マイナーにステーブルコイン「TerraUSD」ではなく、暗号資産テラ(LUNA)で報酬を与えている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:What Is a Block Reward?