新しい世界通貨秩序が生まれつつある:クレディ・スイスのストラテジスト

新しい世界通貨秩序が生まれつつある:クレディ・スイスのストラテジスト

かつてニューヨーク連邦銀行と米財務省に勤務し、今はクレディ・スイス(Credit Suisse)の短期金利ストラテジストを務めるゾルタン・ポズサー(Zoltan Pozsar)氏は7日に発表した文書に、アメリカは今、新しい世界通貨秩序につながるコモディティ危機の中にあり、最終的には現在のドル基軸の金融システムは弱体化し、欧米でのインフレ率上昇を招くと書いている。

「この危機は、1971年にニクソン大統領(当時)がドルとゴールドの交換を停止して以降、我々が経験してきたものとは違う」(ポズサー氏)

ブレトン・ウッズ協定は、第二次世界大戦後半に結ばれたもので、ゴールド1オンスを35ドルと定め、さらに他国の通貨を米ドルに対して固定した。しかし、1960年代に入るとアメリカの貿易赤字が深刻化し、この仕組み(いわゆる「ブレトン・ウッズ体制」)は破綻し始め、1971年にニクソン大統領がドルとゴールドの交換を停止したことで、完全に崩壊した(「ニクソン・ショック」と呼ばれる)。

初期のブレトン・ウッズ時代(1944〜1971年)がゴールド、ブレトン・ウッズ2時代(1971年〜現在)が「インサイド・マネー」(本質的には米ドル)に裏付けられたとすれば、ブレトン・ウッズ3時代は「アウトサイド・マネー」(マネー以外のゴールドや他のコモディティ)に裏付けられるものになるとポズサー氏は述べた。

ポズサー氏は、現在の通貨体制の終焉を、先進7カ国(G7)がロシアのウクライナ侵攻を受けて、ロシアの外貨準備を凍結した日と位置づけている。リスクフリーと考えられていたものがそうではなくなり、存在しなかった信用リスクがきわめて現実的な没収リスクに一瞬で置き換わった。

影響は中国にも及ぶ。ポズサー氏は、中国人民銀行(PBOC)は2つの選択肢に直面しているという。つまり、国債を売ってロシアのコモディティを買うか、あるいは、独自の量的緩和で人民元の発行量を増やし、ロシアのコモディティを買うかだ。どちらのシナリオも欧米での金利上昇とインフレ率の上昇を意味するという。

ポズサー氏は、レポートをビットコイン(BTC)についてのコメントで締めくくった。同氏はビットコインは恩恵を受ける、と予想している。だがそれは「まだ存在する場合」に限られるとした。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Credit Suisse Strategist Says We’re Witnessing Birth of a New World Monetary Order

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