【US市場】ビットコインはレンジ相場、市場は大統領令を注視

ビットコイン(BTC)は過去24時間、レンジ相場かつ取引高が低いものの、3万7000ドルのサポートレベルの上で推移した。

だが今週後半、暗号資産(仮想通貨)についての米政府の戦略を示すバイデン大統領の大統領令はビットコインの変動要因になるかもしれない。

英GlobalBlockのアナリスト、マーカス・ソチリオウ(Marcus Sotiriou)氏は「大統領令はロシアのウクライナ侵攻以前から知られており、当初は主にステーブルコインと中央銀行デジタル通貨(CBDC)を対象としたものになるはずだった」と述べた。「しかし、ロシアが制裁回避に暗号資産を利用している懸念が高まっているため、大統領令が暗号資産業界に厳しい規制変更を課すものになることを多くの人が心配している」。

一方、ポジティブな要因としては、アーク・インベストメント・マネジメント(ARK Investment Management)やモルガン・スタンレー(Morgan Stanley)などの大手金融機関が、30%ディスカウントという大幅割引で取引されているグレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC:Grayscale Bitcoin Trust)を購入していることが、規制当局への提出書類で明らかになったことがあげられる。

こうした投資家需要、さらにグレイスケールの親会社のデジタル・カレンシー・グループ(Digital Currency Group)がGBTCを100万ドル分買い戻したことは、関係者がGBTCを現物ベースのETF(上場投資信託)に転換することをまだ諦めていないことを示しているかもしれない。

最新価格

●ビットコイン:38,524ドル、+2.36%
●イーサリアム:2,554ドル、+3.34%

●S&P500:4,170、-0.73%
●ゴールド:2,060ドル、+3.30%
●米国10年債利回り:1.87%

主要なサポートレベル

ビットコインは2021年11月の史上最高値約6万9000ドルから40%以上、過去1カ月で約8%下落している。通常、極端な価格下落は、次の上昇に先立ち、下落局面を狙う買い手の購入を促す。

サポートレベルは、需要や買い意欲の集中によって下落トレンドが一時停止すると思われる価格レベルをトレーダーが見極めるためのもの。サポートが維持され、レジスタンスを上抜けしたことが確認されると、勢いは加速し、上昇サイクルが始まる傾向がある。

下図は、ビットコイン投資家の平均コストベース(実現価格)を推計したもので、主要なテクニカルサポートレベルと一致している。

グラスノード(Glassnode)によると、ビットコインの短期保有者の大半は損失を抱えており、コストベースは約4万6400ドル。だが長期保有者の損益分岐点は約3万9200ドルで、これを割ると2万4000ドルに向けてさらに下落する可能性がある。

売りは通常、短期保有者が牽引する。一方、長期保有者は2019年と2020年の底値時と同様に、主要なサポートレベルに沿って買い集める可能性が高い。今のところ、ビットコインは弱気相場局面の約半分を経過しているようだ。

ビットコイン投資家のコストベースの推定値(Glassnode)

アルトコイン

アバランチ、2億9000万ドルを準備して、ゲーム、DeFi、NFTのトッププロジェクトを誘致:アバランチ財団は8日、約2億9000万ドル(約340億円)に相当する400万アバランチ(AVAX)を準備して、ゲーム、DeFi(分散型金融)、NFTのトッププロジェクトを誘致すると発表した。

パパ・ジョンズ、NFTを計画:ピザチェーンのパパ・ジョンズ(Papa John’s)は、イギリスで約2万個のNFT発行を計画。同国の広告規制当局からの暗号資産に対する警告も気にしていないようだ。1万9840個のNFTは、テゾス(Tezos)ブロックチェーン上で発行され、9種類のピザ配達用バッグのデザインになっている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Glassnode
|原文:Market Wrap: Bitcoin Stabilizes Ahead of Biden’s Executive Order on Crypto