紛争時のS&P500から予想するビットコインの値動き:QCPキャピタル

紛争時のS&P500から予想するビットコインの値動き:QCPキャピタル

長期的な上昇を期待しているビットコイン(BTC)強気派は失望する可能性が高いと、過去の戦争や紛争がS&P500株価指数に与えた影響をもとにQCPキャピタルは28日に発表したレポートで述べた。

超大国が関与した過去5回の戦争や紛争のうち4回で、S&P500は衝突を予想する初期のニュースで下落するものの、結果的には軍事衝突が勃発した後の数カ月で持続的に上昇しているという。

アフガニスタン侵攻時と類似

例外は2001年のアメリカのアフガニスタン侵攻。S&P500の上昇は侵攻開始後の3カ月でピークを迎え、ドットコムバブルの崩壊による下落を経て、最終的には安値を更新した。QCPキャピタルは、現在のマクロ経済状況は当時と似ていると指摘し、今回、リスク資産は同様の動きを示すと予想している。

「過去のパターンを踏まえると、グローバルマーケットは当面はサポートされ続けると考えている。とはいえ、マクロ経済的な逆風が広がっており、我々は強い慎重姿勢を崩していない」とQCPキャピタルはレポートで述べた。

さらに「現在の状況と最も類似しているのは、2001年のアフガニスタン紛争。具体的には、市場がドットコムバブル崩壊による投資の削減から圧力を受けていたこと。そして、インフレ率が10年ぶりの高水準となる3.5%となり、スタグフレーションが迫っていたこと」と2001年と現在の状況の類似性を指摘した。

「アフガニスタン紛争では、3カ月続いた安堵感からの上昇が再び下落トレンドに転じ、最終的には侵攻後の安値を更新した」

2001年のアフガニスタン紛争時のS&P500のパフォーマンス(QCP Capital)

暗号資産コミュニティの多くの人は、ビットコインをデジタルゴールドと考えているが、過去のデータは、ビットコインはリスク資産であることを示している。暗号資産とS&P500の60日相関関係は先週、過去最高まで上昇した。

スタグフレーションの懸念

欧米諸国が週末、ロシアに対して厳しい制裁措置を課したことでアナリストは、原油、金属、小麦を含む、ロシアのコモディティ輸出が影響を受け、世界経済はスタグフレーション(低成長と高インフレが同時に起きた状態)に陥ることを懸念している。

関連記事:警戒すべきはスタグフレーションか──暗号資産に与える影響は?

そうなると、FRBなど各国の中央銀行はさらなる金融引き締めに動くかもしれない。FRBは3月中に金利を0.25%引き上げ、年末までにさらに5回の利上げを行うと見られている。ゴールドマン・サックスは来年、FRBはさらに4回利上げを行うと予測している。

「アフガニスタン紛争と今回の紛争の決定的な違いは、2001年当時の金利が6.5%だったこと。当時のグリーンスパンFRB議長には、金利を1%まで引き下げる余地があった。今回、市場は同様の圧力を受けているが、FRBは緩和の選択肢を使い果たしている。金利は上昇する一方で、FRBのバランスシートは縮小するほかない」

したがって、ビットコインとS&P500が今後数カ月、持続的な上昇となる確率は高いようだ。QCPキャピタルは「市場がアフガニスタン紛争と同じパターンをたどるなら、今後数週間または数カ月の上昇は、ロングを整理して下落へのリスクヘッジを開始する良いチャンスになるだろう」と指摘した。

ビットコインは、ロシアがウクライナに侵攻した直後の24日に3万4500ドルを割る1カ月ぶりの安値となった後、当記事執筆時点では4万3800ドル付近となっている。TradingViewによると、S&P500も24日の9カ月ぶりの低水準4114から4306まで反発している。

S&P500は、ベトナム戦争(1964年)、湾岸戦争(1991年)、イラク戦争(2003年)、クリミア危機(2014年)の後、長期の強気相場となった。

ベトナム戦争、湾岸戦争、クリミア危機、イラク戦争の時のS&P500のパフォーマンス(QCP Capital)

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:QCP Capital
|原文:S&P 500 Conflict History Points to Short-Term Bitcoin Bounce, Sell-Off in H2: QCP

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