グラミー賞とNFTの夜:現地レポート

第64回グラミー賞授賞式が現地時間4月3日夜にラスベガスで開催された。司会を務めたコメディアンのトレバー・ノアは、オープニングでアカデミー賞での騒動をネタにジョークを言ったが、もう1つ、ネタにした。暗号資産(仮想通貨)だ。

オープニングだけでなく、スポンサーイベントやアフターパーティ、NFTミートアップなどで2つの暗号資産企業は存在感を示していた。1社は暗号資産取引所バイナンス(Binance)、もう1社はテゾス(Tezos)ブロックチェーン上の音楽NFTトークンプラットフォームのOneOf。

撮影:Eli Tan/CoinDesk


OneOfは2021年11月、グラミー賞を主催する米レコーディング・アカデミーと3年間のパートナーシップを締結。その一環として、ドージャ・キャットやH.E.R.などの有名アーティストがすでに同プラットフォームでNFTを販売している。

バイナンスは(公式アフターパーティーを除けば)比較的控えめな露出だったが、広報担当者は「より大きなパートナーシップのプラン」を後日発表すると述べた。

ラスベガスに溢れたNFT

有名アーティストが全員、NFTに取り組んでいるかのように思えるなか、この週末、ラスベガスの至るところでNFTは存在感を放っていた。

会場となったホテル「MGMグランド」のプール・パーティーでは、「Web3.0のDJプリンス」と称されるスティーブ・アオキが自身の会員制NFTクラブ「A0K1VERSE」の宣伝が点滅するスクリーンをバックにパフォーマンスを披露した。

「スティーブ・アオキは、私がNFTを始めたきっかけ」とプールサイドで見ていた観客は語った。誰かが「AOKIVEEEEERSE」と叫んでいる。

撮影:Eli Tan/CoinDesk

通りの向かい側では、NFTプロジェクト「OnChainMonkey」のイベントが開催されていた。OnChainMonkeyは、プール・パーティーやベラージオ・ホテルでの食事など、NFT保有者向けのさまざまなイベント開催をスポンサードした。

「今週末はラスベガスを訪れる予定ではなかったのですが、2日前にディスコードを見て、このイベントを知りました。一瞬、迷いましたが、ブランチ込みだったので、10分後にはホテルを予約していました」と同プロジェクトのNFT保有者、ブライアン・ヘルナンデス(Bryan Hernandez)は教えてくれた。

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授賞式の途中でも司会のノアはNFTに触れた。オープニングよりもインパクトがあった。

「お気に入りのアーティストが、今までは音楽を売ろうとしていたのに、デジタルモンキーの写真に変わったとき、大変なことだとわかったはず」

もちろん、このジョークは「Bored Ape Yacht Club」と、その人気ぶりをネタにしたものだ(ジョークの後、カメラは2月に同コレクションのNFTを購入したジャスティン・ビーバーに向けられた)。

「エンターテインメントの最新アセットクラス」

NFTがグラミー賞のようなイベントにもたらした騒しさの裏には、ビジネスが存在する。

レコード会社やタレント事務所は、ますます人気が高まり、主流となりつつあるNFTを取り込もうと必死になっており、チャレンジを続けている。

「人々は多くの場合、暗号資産を新しいアセットクラスと捉えている。NFTはエンターテイメントの最新のアセットクラスだ」とNFTプロジェクト「Doodles」の弁護士は語った。

これから発売するNFTについて語りたがるアーティストもあとを絶たない。ラッパーのジー・イージーのその1人、今月末にOneOfでコレクションを発売する。

「とても面白くて、ファンにアプローチする新しい方法を見つけようとしているだけ」と彼はCoinDeskのインタビューに答えた。他のプロモーションと比べると、NFTに取り組むことは「よりクリエイティブなプロセス」のように感じられ、「アートワークのコンセプトを考えることが楽しかった」と付け加えた。

撮影:Eli Tan/CoinDesk

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Eli Tan/CoinDesk
|原文:Crypto’s Night at the Grammys