途方に暮れる入社予定者に聞く──米コインベースが突然の内定取り消し

米暗号資産(仮想通貨)取引サービス大手のコインベース(Coinbase)が弱気相場を受けたコスト削減策の一環として内定の取り消しを発表、入社予定者は見捨てられてしまった。

我々は、同社から突然の通知を受け、途方に暮れる入社予定だった3人に話を聞いた。3人は、コインベースは暗号資産業界で最も安定したブランドで、スナップ(Snap)やメタ(Meta)などのIT大手よりも優れた会社だと考えていた。

5月中旬に内定通知にサインした1人は、ソフトウェア・エンジニアで、ウォール街での仕事を辞める日が迫っていた。内定取り消しのメールを受け取ったときは、送別会の最中だった。彼は今、ウォール街に留まっている。

多くの人の予定が狂ったが、彼はまだ幸運な方だろう。もう1人は、大学を卒業したばかりで、3社からのオファーを断り、コインベースを選んだ。9月に入社する予定だった。

「今、就職先を探し回っている。だが、ほとんどの企業はすでに採用枠が埋まっているか、採用を凍結している」と彼は語った。

コインベースは今年初め、2022年末までに従業員数を3倍に増やす計画を発表していた。以前、取材した採用担当者の1人は、数百人が採用プロセスに入っているだろうとその時、語っていた。

同社人事責任者のL.J.ブロック(Brock)氏は2日、「多くの内定を取り消しにする」と発表、取り消しはすぐに実施されたようだ。

匿名の採用情報掲示板「Blind」には、コインベースに入社するためにすでに仕事をやめた、他社のオファーを断ったなどの書き込みがあった。ある投稿者は、11月に面接を受けた新卒者だと書き込んでいた。

ブロック氏から彼に送られたメールによると、入社予定だった人たちは、解雇手当として1カ月分の給与を受け取るという。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:米コインベースのアームストロングCEO(CoinDesk archives)
|原文:Coinbase’s Abrupt Hiring Reversal Blindsided Would-Be Employees