人気NFT「BAYC」でまたハッキング被害、BTCマイナーの目標株価は65%ダウン【週末の注目ニュース】

ビットコインマイナーの目標株価、65%ダウン

米投資銀行BTIGは、ビットコイン(BTC)マイナー(マイニング事業者)の12カ月平均目標株価を65%引き下げた。3日に発表したレポートで同社は、ビットコイン価格の下落と資金調達に関する懸念を理由にあげた。

出典:BTIG, CoinDesk

ビットコインマイナー銘柄は、年初から50%以上下落している。だが同行は、カバーする4つの大手マイニング銘柄の買い評価を維持しており、業界の長期的見通しには楽観的だ。

原文:Market Rout Prompts Analyst to Slash Bitcoin Miners’ Price Targets by Average of 65%

暗号資産詐欺の被害額、10億ドル

米連邦取引委員会(FTC)が3日発表したレポートによると、2021年1月から2022年3月までに、暗号資産関連の詐欺による被害額は10億ドル(約1300億円)以上にのぼった。

被害を明らかにした人は約4万6000人、被害額の平均値は2600ドル(約34万円)という。詐欺に使われた暗号資産は、ビットコインが70%、テザー(USDT)が10%、イーサリアム(ETH)が9%だった。

「暗号資産は、多くの詐欺師が選択する支払い手段となりつつある」とFTCは述べ、詐欺被害の約4分の1が暗号資産に関係していると指摘した。

原文:Consumers Lost Over $1B to Crypto Fraud Since January 2021, FTC Says

中東でフレアガスを使ったビットコインマイニング

出典:Crusoe Energy

油田から排出される余剰ガス(フレアガス)をエネルギー源とするビットコインマイニングを手がける米クルーソー・エナジー(Crusoe Energy)は、中東地域での事業拡大を目指す。同社は、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の政府系ファンド、ムバダラ・インベストメント(Mubadala)と、オマーン投資庁(OIA)が、4月に終了した3億5000万ドルの資金調達ラウンドに参加したと発表した。

この資金調達には三井物産も参加。三井物産は5月25日、同社の第三者割当増資を引き受けたと発表している。

関連記事:三井物産、米マイニング事業者に出資──フレアガスで環境負荷を低減

フレアガスは現状、ほとんどが焼却されており、環境への影響が懸念されている。2020年に排出されたフレアガスのうち、中東・北アフリカ地域(MENA)が38%以上を占めているという。

原文:Middle East Oil Producers Move Into Bitcoin Mining With Crusoe Energy Stakes

200イーサリアム相当のNFTがハッキング被害

Yuga Labsは、人気NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」のDiscordサーバーが6月4日にハッキングされ、200イーサリアム(約36万ドル、約4700万円)相当のNFTが流出したと発表した。

同プロジェクトのコミュニティ・マネージャーのDiscordアカウントがハッキングされ、フィッシング攻撃が行われたという。このニュースはTwitterユーザーが先に報告し、その後、Yuga Labsが被害を認めた。Yuga Labsが運営するアカウントがフィッシングに利用され、ユーザーのNFTが流出したのは、今年3度目になる。

BAYCの創設者の一人は、ハッキング被害の要因としてDiscordをあげ、「DiscordはWeb3コミュニティに向いていない。我々にはセキュリティファーストの優れたプラットフォームが必要だ」とツイートした。

だが、別の暗号資産プロジェクトの創設者は、フィッシング被害を招いたユーザー自身を非難した。

「あなたがNFTを失ったのは、悪意を持ったトランザクションにサインしたからだ。Discordのせいにするのはやめて欲しい。別のクライアントでも同じミスは防げない」

原文:Yuga Labs Confirms Discord Server Hack; 200 ETH Worth of NFTs Stolen

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
|画像:Yuga Labs