暗号資産はネット大手が作り出したアンバランスを破壊できる:アンドリーセン・ホロウィッツ

米VC大手アンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz/a16z)は、ウェブ3と暗号資産(仮想通貨)にはフェイスブックやツイッターのような大手IT企業が生み出したパワーのアンバランスを破壊する能力があると考えていると、同社暗号資産部門の創設者、クリス・ディクソン(Chris Dixon)氏は語った。

フィナンシャル・タイムズのポッドキャストでのインタビューで同氏は、インターネット上のパワーは現在、少数の企業に握られていると述べた。

「これは良い結果とは思わない。インターネットは5社に支配されているという考え方は、起業家にとっても、VCにとっても非常に悪いものだ」(ディクソン氏)

2018年に暗号資産部門をスタートさせて以来、アンドリーセン・ホロウィッツは暗号資産企業とブロックチェーン企業に投資するために76億ドル以上を集めている。最近では市場が低迷するなか、5月に45億ドル規模の4つめの暗号資産ファンドを設立した。

ビットコインは2021年11月の最高値約6万9000ドルから、6月には1万7000ドルまで下落している。ディクソン氏はこの下落を、投資のチャンスと捉えていると述べた。「ベンチャーキャピタルでは、うまくいけば安く買って、高く売ることができる……。つまり、私の経験では、景気低迷はチャンスだ」。

伝統的金融の有力企業数社は、ブロックチェーン技術を日常的に利用し始めている。米株式市場の取引を処理するDTCC(Depository Trust & Clearing Corp.)は8月22日、同社専用のブロックチェーン「Project Ion」は1日あたり数十万件の決済取引を処理していると述べた。

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仏銀大手BNPパリバは、JPモルガン・チェースのブロックチェーンネットワーク「Onyx(オニキス)」を利用している。

「より良いインターネットを作るために我々にできることは、ネットワーク効果が企業ではなく、コミュニティに生まれるような新しいシステムを作ることだ」とディクソン氏は語った。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Andreessen Horowitz Says Crypto Can Shift Power Away From Big Internet Companies: Report