暗号資産スタートアップに転職する価値はあるか?──創業者、幹部、エンジニア、非エンジニアの年収を調査:米VC

暗号資産スタートアップに転職する価値はあるか?──創業者、幹部、エンジニア、非エンジニアの年収を調査:米VC

暗号資産業界に転職する価値はあるだろうか?

暗号資産ベンチャーキャピタル(VC)Framework Venturesのレポートは、そうした質問への手がかりとなり、暗号資産ゴールドラッシュに参加しようとする人に具体的な情報を提供してくれる。

Frameworkは、投資している暗号資産スタートアップ18社を調査。エンジニアも、非エンジニアも6桁台(10万ドル台=1000万円台)の給与を得ており、なかには基本給が30万ドル(約4200万円)にのぼる優秀なエンジニアもいることが判明した。

また創業者は、1桁台半ばのパーセントのトークンを手にしていた。まれに10%を手にする人もいた。

「現状、ウェブ3にはグラスドア(Glassdoor:求人の口コミサイト)やレベルズ(Levels:年収情報サイト)に相当するものはない」と同VCのオペレーティング・パートナーで、今回の調査責任者ダニエル・メイソン(Daniel Mason)氏は述べた。同氏は、このデータを発表することは、「エコシステムの透明性を向上させ、創業者と求職者の双方にメリットがある」と付け加えた。

トークン付与がWeb3の特徴

5月に実施された調査は、従業員2人〜80人までのさまざまな規模の、主にアーリーステージ企業が対象。Frameworkが投資している企業は、主にイーサリアムブロックチェーンを基盤としたDeFi(分散型金融)プロジェクト、インフラ、Web3ゲームなどで、具体的には、レンディングプロトコルのアーベ(Aave)、プレー・ツー・アーン(P2E)ゲームのIlluvium、ステーブルコインプロジェクトのFeiなどだ。

調査では、4つのグループ──創業者、エグゼクティブ層(創業者以外の幹部)、エンジニア、非エンジニア(営業、マーケティング、人事など)──ごとに基本給と、株式あるいはトークンの付与をまとめた。

「基本給の位置づけは、ウェブ2でもウェブ3でも変わらないが、トークンの存在が大きな違いとなっている。付与されたトークンがわずかでも、プロジェクトが10億ドル規模に成長すれば、大きな価値を生む可能性がある」と暗号資産リクルーティング企業Up Topの創業者ダン・エスコー(Dan Eskow)氏は述べた。

暗号資産の次の成長企業に加わろうと考えている人にとって、今、続いている弱気相場ほど良いタイミングはないとメイソン氏は考えている。

「(トークン付与などの)報酬パッケージは確実なものではないが、プロジェクトや企業の評価がまだ低いときに手にすることが一般的には望ましいと思う。FAANG(フェイシャル、アマゾン、アップル、ネットフリックス、グーグル)の株価は年初から30〜35%下落しているが、暗号資産はもっと下落している。今、適切なプロジェクトに参加した人は、強気相場の頂点で参加した人よりも、ある日、大きな成果を手にするかもしれない」

以下、具体的なデータを見てみよう。

創業者の報酬

アーリーステージ企業:年間10万ドル〜17万5000ドル(多かったのは、13万ドル〜16万ドル)

レイトステージ企業:17万5000ドル~22万5000ドル

株式:アーリーステジ企業は創業者が約80%を保有、レイトステージ企業は20%〜50%

トークン:創業チームは供給量の8%~12%、創業者個人は2.5%~7.5%を保有(多かったのは、4%~6%)。最も高い保有率は10%(アーリーステージ企業の創業者)

●アーリーステージ企業では、創業者の給与は、快適だが基本的なクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を維持するための最低限のレベルとなっている傾向がある。

●給与は、特に場所と生活コストによるが、アメリカに住む創業者は高く、海外の創業者はやや低くなっている。

●DAO(自律分散型組織)では、従業員インセンティブとして株式ではなく、トークンの付与が標準的な方法。

創業者以外の幹部

アーリーステージ企業:12万ドル〜16万ドル

レイトステージ企業:22万5000ドル以上

株式:アーリーステージ企業は1%~4%、レイトステージ企業は1%~2%

トークン:供給量の0.5%~1%

●創業者以外の幹部では、エンジニアリング、営業開発の給与が最も高い。

●営業担当の幹部の多くは、成果報酬ボーナスという形で高い報酬を得ている。

●基本給与は、アメリカに住む幹部の方が他の地域よりも高い。

エンジニアの報酬

アメリカに住むエンジニア:12万5000ドル〜16万ドル、中央値15万ドル

アメリカ以外のエンジニア:10万ドル~15万ドル、中央値12万5000ドル

トークン:供給量の0.1%~0.4%

●調査で最も高い給与は、30万ドル(約4200万円)。

●給与は地域によって大きく異なり、アメリカに住むエンジニアは高い給与を受け取っている。

●数字にボーナスは含まれていない。

●プログラミング言語のSolidityとRust、そしてブロックチェーンアーキテクチャの知識を持つ暗号資産に特化したエンジニアは、特に給与が高い。

出典:Framework Ventures

非エンジニアの報酬

営業開発:中堅レベル 6万ドル〜12万ドル、シニアレベル 15万ドル

マーケティング:中堅レベル 8万ドル〜10万ドル、シニアレベル 14万ドル

財務:中堅レベル 6万ドル〜12万ドル、シニアレベル 15万ドル(一派的にレイトステージ企業で採用)

オペレーション、デザイン、人事、コミュニティ管理:最大13万ドル

トークン:プロジェクトによる

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Framework Ventures
|原文:Crypto Startup Salaries: Here’s How Much Devs and Others Get Paid

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