米コインベース、3Q損失は2Qから半減──逆風は2023年まで続くと予想

暗号資産(仮想通貨)取引大手のCoinbase(コインベース)は11月3日、第3四半期決算を発表。5億4500万ドルと損失となったが、第2四半期の11億ドルの損失からは半減した。コスト抑制、人員削減、また金利収入の増加が要因となったという。

しかし、取引収入は、2023年まで続くと予想されるマクロ経済と暗号資産市場の逆風、および取引の海外への流出から引き続き大きな影響を受けたと、同社は株主向け文書に記した。

第3四半期の取引収入は3億6600万ドル、取引高の減少によって第2四半期から44%減少した。さまざまな要因があるなかで、Coinbaseは減少の要因として「取引高が当社の事業が集中しているアメリカからシフトしていること」をあげた。そしてシフトは、一部の暗号資産発行者がアメリカの規制の枠組みに抱いているであろう「不確実性」が一因と指摘した。

一方、サブスクリプションおよびサービス収入は、受取利息の増加により、第2四半期から43%増の2億1100万ドルとなった。一部のアナリストは短期金利の上昇を考えると、利息収入はコインベースにとって明るい材料となる可能性があると考えていた。営業小外は11億ドル、第2四半期から38%減少した。

第3四半期の売上高合計は5億7600万ドル、FactSet(ファクトセット)によるアナリストの事前予想6億4600万ドルを下回り、第2四半期の8億300万ドルから減少した。同社は第3四半期末時点、56億ドルの現金、4億8300万ドルの暗号資産を保有、「暗号資産の冬を乗り越えるための強力なポジションにある」と考えている。

CEOは楽観的見通し

2022年の見通しについては、暗号資産価格が大幅に下落せず、顧客の行動が変わらないという前提で、以前発表した5億ドルの損失という想定の範囲内に収まることに「慎重ながらも楽観的」と同社は述べた。

「2023年については、保守的な見方で準備しており、現在のマクロ経済的な逆風が持続し、場合によっては強まることを想定している」

Coinbaseの株価は日中取引で約8%下落した後、時間外取引で約3.8%上昇し57.90ドル付近。ビットコインの約56%の下落に対して、Coinbase株は年初から75%超下落している。6月には約1100人の人員削減を行った。

決算報告のカンファレンスコールでは、経営陣は自社については楽観的な見方を示したが、マクロ経済環境には慎重だった。それでも、ブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)CEOは楽観的だった。

「下落相場では開発に集中できる」とアームストロングCEOは述べ、イノベーションはまだ続いており、多くの機関投資家が参入を続け、マクロ経済環境が改善したときに備えていると付け加えた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:shutterstock
|原文:Coinbase Cuts Q3 Losses in Half, Sees Crypto Headwinds Continuing Into 2023